第164話『ロドリゲスとしずかちゃんの決別』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

ついにロドリゲスがスリムボーン社打倒に動きだした。バーバラから彼の計画を聞いたしずかちゃんは、計画を阻止するため、ロドリゲスのもとを訪れる。アレックスとの幸せを奪わないでほしいと懇願するしずかちゃんに、ロドリゲスは嫉妬の炎を燃やす。

ロドリゲスの隠れ家で話をするロドリゲスとしずかちゃん

Rodriguez and Shizuka chan talking to each other in Rodriguez’s hideout.

しずかちゃん:

アレックスを愛し、タツヤと3人で幸せに暮らすって決めたの

お願い、ロド、わたしの幸せを奪わないで…!!

Shizuka chan:

I care about Alex. Tatsuya and I, the three of us, will live happily ever after: that’s what I’ve decided on.

So, please, Rod. Don’t take away my happiness!!

ロドリゲス:

これからおれがやろうとしていることで、きみたちの幸せが崩れてしまうのか?きみたちの愛は、そんなにもろいものなのか?

おれには関係のない話だ

Rodriguez:

What I’m going to do from now will destroy your happiness; is that what you mean? The love you two share is as fragile as that?

It’s got nothing to do with me.

しずかちゃん:

ロド、わたしは知ってるの。アレックスのお父さまがあなたの会社・ラブカロリーを告発したことを

そして、あなたがそのことでスリムボーン社に報復しようとしていることを

そんなことやめて、ロド。きっとあなたも傷つくことになるわ。わたし、あなたのことが心配なの…

Shizuka chan:

Rod, I know that. I mean, I know that Alex’s father was the one who set up the prosecution of your company, Love Calorie.

And I realize that you’re going to take revenge for what Slim Born Co. did to you.

Please don’t do it, Rod. You will get hurt, too. I’m so worried about you….

ロドリゲス:

これは報復でもなんでもない、おれの仕事だ。それに、きみに心配してもらう必要もない

Rodriguez:

What I’m going to do isn’t about revenge- it’s just what I’ve got to do. Besides, there’s no need at all for you to worry about me.

しずかちゃん:

…あなたは強い人ね。どんな境遇からも1人で這い上がることのできる人

でも、だれもがあなたと同じように強いわけじゃない。だれかの助けがなければ、絶望の淵から立ち直ることのできない人もいるの(アレックスのように…)

Shizuka chan:

….You’re a strong man. A man who can claw his way up all alone from any circumstances.

But, you must keep this in your heart that all people aren’t as strong as you are. There are some who can’t rebound from despair without someone’s help. (like Alex….)

ロドリゲス:

…(それは違うよ、しずかちゃん。おれだって…)

もういい。きみとこれ以上、話し合うことはない。帰ってくれっ!!

[硬い表情でしずかちゃんを見つめる](もうこの先、きみと会うことはないだろう。でも、きみの幸せをずっと祈っているよ…)

Rodriguez:

…. (No, you’re wrong, Shizuka chan. Neither can I….)

Fine! There’s nothing more to discuss. I want you to leave here now!!

[Staring at Shizuka chan sternly]

(I will never ever see you again. But, I’ll always be praying for your happiness…)

しずかちゃん:

ロド…

Shizuka chan:

Rod….

destroy:破壊する、ぶち壊す

fragile:もろい、壊れやすい

* なお、郵便小包の「割れ物注意」はFragileと言います

set up:(わなや策略を)仕掛ける

* 機械などを「セットする、組み立てる」という意味としても使われます。

(例1) I think they are the ones who set up the traps.

(奴らが罠を仕掛けたんだと思う)

(例2) It’s quite difficult to set up this machine.

(この機械の組み立てはかなり難しい)

prosecution:告発

take revenge:復習をする

claw one’s way up:(苦労や苦しみなどから)這い上がる

* claw のもともとの意味は「裂く、引っ掻く」

all alone:独力で、ひとりきりで

(例)It must be so scary being all alone in a strange city.

(見知らぬ国でひとりぼっちとは、さぞかし怖いことでしょう)

circumstances:境遇

* 通常、複数形で用います。

keep something in one’s heart:~を心に留めておく、忘れずにいる

(ジャックは、私が彼にやってはいけないと言ったことをしてしまった)

rebound from:~から立ち直る、回復する

the depths of:どん底、最悪の状態

(例)The country recovered from the depths of recession.

(その国は最悪の経済状態から回復した)

despair:絶望、失意

* the depths of despairは「どん底状態の絶望感」、つまり「絶望の淵、失意の極み」と解釈することができます

fine:もういい、わかった!

※今日のトリビア

fineは「すばらしい」とは別に、「これ以上話すことは何もない!」「もう十分だ!」などの様に、皮肉っぽく使われることがあります

sternly:(表情が)険しく、こわい

pray:祈る

次回予告

お互い愛し合いながら反目してしまうロドリゲスとしずかちゃん。次回、ロドリゲスがスリムボーン社に乗り込む。スリムボーン打倒の計画は実行に移されるのか?そしてアレックスとしずかちゃんの運命は?乞うご期待!!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。