第21話『アナライズ・アス』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

夫ロドリゲスの素行調査を依頼した探偵から、彼が浮気ではなく本気の恋をしていると聞かされた妻・サラ。彼女の怒りの矛先はどこに向けられようとしているのか!?

(心理カウンセラーのもとを訪れたロドリゲスとサラ)

Rodriguez and Sarah, visiting a psychological counselor

サラ:

今日は私と主人の“夫婦関係”のことでご相談にあがりました。私達

の何がいけないのか、先生に診ていただきたいんです!

Sarah:

Today we’re here to consult you on our “marital relationship”.

I would like you to diagnose what’s wrong with us!

ロドリゲス:

サラ、いったいなんのまねなんだ、これは。いや~参りましたよ。今

朝、トイレから出てきたところを強制的に連れてこられましてね

Rodriguez:

Sarah, stop playing the fool.

Yeah, she got me. Actually my wife dragged me off to this place

just when I was about to get out of the bathroom this morning.

カウンセラー:

まあ、まあ、二人とも。落ち着いて。まずは奥様の言い分を聞きましょ

うよ、ね。

Counselor:

OK, OK, take it easy, both of you.

First, we shall hear what your wife has to say.

サラ:

結婚した時からそうだったんですけど…、なるべく気にしまいとがん

ばってきました。でも、もう我慢できなくて。

Sarah:

It’s been going on since I married him…..

I mean I’ve been pretending not to mind,

but I can’t stand him anymore.

カウンセラー:

ご主人の何に我慢できないの、サラ?

Counselor:

Tell me what you can’t take about him, Sarah?

サラ:

主人とは生理的に合わないんです。彼のすべてに我慢できないんです!

彼の話し方も、いびきのかき方も、メガネをとったときの顔も、手の

脂汗も、胸毛も、お風呂上り、おけつがちらちら見える大きさのタオ

ルを腰に巻いて、私とテレビの間を通っていくのも、何もかも、虫唾

が走るほどいやなんです。

Sarah:

I am physically repulsed by my husband.

I can’t cope with everything about him.

The way he talks, the way he snores, his face when he takes off

his glasses, oily sweat on his palms, his chest hair, his passing

between me and the TV set after a bath with his bottom hanging

out under the skimpy towel he has thrown around his waist.

Everything about him just disgusts me.

ロドリゲス:

あーはははは…、家内は今日ちょっとおかしいみたいですな。また、

つわりかな

Rodriguez:

Ha ha ha ha…… something is the matter with my wife today.

She’s having morning sickness again, maybe.

サラの愚痴(!?)はこの後、延々と続くのであった…

Sarah continued complaining on and on after this….

psychological Counselor:
心理カウンセラー

consult A: A(専門家)の意見を求める

(例)We should consult a lawyer.

(弁護士の指示を請うべきです)

marital: 結婚の、婚姻の

diagnose: 診断する

Stop playing the fool!: バカなまねをするんじゃない!

※今日のトリビア

play the fool のもともとの意味は

⇒『道化を演じる、ひょうきんなことをする』。

困った相手を諭すときにどうぞ。

get + 人:(人)をやりこめる、負かす

drag 人 off:(人を)無理やり連れていく

pretend: ~のふりをする

* pretend to doのかたちで。

(例)She pretended to be cheerful.

(彼女は元気な振りをしていた)

mind(動詞): 気にかける、気にする

can’t stand: 「~に我慢できない、耐えられない」の口語表現。

standのあとには、頭に来る相手や事柄を入れます。

can’t take: こちらも「~に我慢できない」 takeの後ろには腹の立つ

事柄がきます。また決まり表現 I can’t take it(耐えられない!)も

よく耳にする表現。

physically: 身体的に、生理的に

be repulsed by A: Aに強い嫌悪を感じる

cope with A: Aを我慢する

snore: いびきをかく

oily: あぶらっぽい

chest hair: 胸毛

skimpy: (服などが)小さすぎる、きゅうくつな

disgust: (嫌で)むかむかする、うんざりする

matter with A: Aに関するめんどう事、故障

* このmatterは名詞ですが、ニュアンスとしては形容詞のwrongに近い。

(例) Something is the matter with the engine.

(エンジンの調子が悪い)

morning sickness: つわり

次回予告

二人の夫婦関係が破綻しかかっているのは、やっぱりロドリゲスのせいなのか!?サラの言い分を延々と聞かされたのち、心理カウンセラーは意外な診断結果を告げる!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。