第25話『サラの決断』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

ロドリゲスの妻サラは、夫との結婚生活の破綻を清算すべく、友達で弁護士のベロニカに連絡をとる。そこで、サラはお腹の子がロドリゲスの子ではないと打ち明ける!

(カフェでベロニカと話し込むサラ)

(Sarah, having a long talk with Veronica)

サラ:

…このお腹の子、もしかするとロドの子じゃないかもしれないの

Sarah:

It could be that the baby I’ve been carrying

might not be Rod’s child….

ベロニカ:

ああ、そういうことね。世の中、たいていそうなのよ。一方が浮気してる

と、もう一方も浮気してるのよね。お互い様ってやつよ。

そうね、そうなると、慰謝料請求は正直むずかしいくなるわ。

相手弁護士があなたの浮気のことを嗅ぎつかないとも限らないし…

ねえ、お腹の子がロドの子じゃないことは確かなの?

Veronica:

Oh, now I see. The world goes on like that all the time.

When one is having an affair, the other is, too, mutually.

They are even, you know.

In this case, frankly speaking, it might be more difficult to

claim the compensation money. Besides, no one can guarantee that

his lawyer wouldn’t get wind of your affair.

Say, are you really sure that the baby you’re carrying isn’t Rod’s?

サラ:

わからないの。もしかしたら、ロドの子かもしれないし、もしかしたら、

違うかも…

Sarah:

I haven’t got a clue. Possibly, the baby might be Rod’s

or maybe not….

ベロニカ:

ロドはそのこと知らないんでしょ?

Veronica:

Does Rod have the slightest idea about that?

サラ:

うん…

Sarah:

No…

ベロニカ:

離婚して一人で生きていくつもりはあるの?

Veronica:

Are you going to live all by yourself after the divorce?

サラ:

Sarah:

………….

ベロニカ:

あなたのために言うわ。ロドの浮気のことも、離婚の意思も、お腹の子の

父親のことも、すべて、なかったことにしてしまいなさい!!

あなたはこの先もずっとロドの妻。そして、生まれてくる子をロドの子と

して育てるの。これがあなたのためには一番いい方法だと思うわ

Veronica:

Let me tell you this. You should make believe as if the whole

thing never happened, Rod’s affair, your will to divorce

and the baby’s biological father!!

You are and will always be Rod’s wife as ever.

And, bring up the coming baby as Rod’s child.

This is the best way for you, I think.

it could be that: ~ということもあり得る (that以下は主語+動詞の語順)

carry: 妊娠している

the world: 「世界」のほか ⇒ 「世の中、世間」という意味もあります

go on: 続く、進む

all the time: いつも

have an affair: 浮気をする

mutually: 双方で

even: おあいこの (形容詞)

in this case: この場合

frankly speaking: 率直に言うと

claim: 請求する

compensation money: 慰謝料

lawyer: 弁護士

get wind of: (事実やうわさを)嗅ぎつける

(例)I wonder how Jack got wind of the truth…

(どうやってジャックはその事実を嗅ぎつけたのかしら…。)

I haven’t got a clue. 「わかりません」

※今日のトリビア

clueは「手がかり、ヒント」の意。平たく言えば “I don’t know.” と同じ意味で

すが、こちらも会話で頻繁に使われる表現のひとつ。なお、I don’t have a clue.

という言い方もあります

possibly: ひょっとして

slight: わずかな、少しの

idea: 考え、見当

* なお、have the slightest ideaで「多少なりともそれを知っている」の意

live all by yourself: (他人を頼らずに) ひとりで暮らす

divorce: 離婚

make believe: ~のふりをする、~らしく見せかける

(例)I know you made believe not to hear me.

(キミ、わざと聞こえない振りをしただろ)

will: 意思(名詞)

biological: 血のつながった

* biological father = 実の父親

as ever: これまで通り

bring up: 育てる

次回予告

何もかもなかったことにして生きていくことを助言するベロニカ。女とはかくも弱く、したたかな生き物なのか。ついにふたりの子(!?)が生まれる次回に乞うご期待!!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。