ディクシー・チックス『ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス』からの出題
カントリー2006年/アメリカナタリー・メインズ(Natalie Maines)、エミリー・ロビソン(Emily Robison)、マーティ・マグワイア(Martie Maguire)、ダン・ウィルソン(Dan Wilson)ディクシー・チックス(The Dixie Chicks)
2003年、ロンドンでのライブ中に、ボーカルのナタリーが、自分たちと同郷のブッシュ大統領を恥ずかしく思うと批判。この政治的発言が、空前のボイコット騒動を引きおこした。3年たって、この事件に区切りをつけるべく書かれた楽曲。歌詞には、死をほのめかす脅迫状が届いたことも歌われる。全米チャート最高第4位、全英チャート最高第70位。第49回グラミー賞にて、ディクシー・チックスが受賞した最多5部門のうち、この曲は最優秀楽曲賞を含む3部門で受賞。
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Not Ready to Make Nice
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答えの「ready」は、「準備のととのった」という意味で、
「Are you ready?(アーユーレディ?)」=「準備はいいかい?」
の「レディ」として、おなじみです。ある動作の準備についてなら、「to」を使います。
「be ready to~」=「~する準備ができている」
例:Now I’m ready to go.
さぁ、行く準備ができた。身支度や持ち物など具体的な物を準備する必要がない場合、
すなわち“心の準備”が必要な場合にも同様に使いますが、
日本語訳には、「準備」以外の言葉がよいかもしれません。例:I’m ready to admit I was wrong.
自分が間違っていたと認める覚悟ができた。I’m not ready to admit I was wrong.
自分が間違っていたなんて認めたくない。次に、タイトル英語を含むサビ部分の歌詞を見てみましょう。
♪歌詞引用
I’m not ready to make nice
I’m not ready to back down
I’m still mad as hell
And I don’t have time
To go round and round and round機嫌をなおせって言われても、イヤよ
言ったことを取り消すなんてできない
いっとくけど、私まだカンカンだから
これ以上、時間をムダにしたくないの
延々とケンカに付きあってられないわ (意訳:福光)このあとに続く歌詞でも、
「やりなおしはきかないし、たとえできたとしてもするつもりはない」
と、3年たっても許せない気持ちを歌っています(楽曲情報を参照)。イラク侵攻に踏みきったブッシュ政権を批判したのは、ナタリーが、
幼い子を持つ母として、子どもたちや兵士たちに死んでほしくない、
そんな純粋な願いからだったそうです。政治的な主張でも商業的な打算でもなく、表現の自由の下に、
人間として感じることを述べただけだったので、これからも、
『Not Ready to Make Nice』の姿勢をつらぬくのでしょうね。
- 「ready」を日常でつかってみよう!
- 定番の日本語ギャグを、英語でいうと?
A:Ready! Set! Go! is the signal for the start, got it?
B:Whoops. You’re pulling our legs!A:位置について、用意、ドン!と言ったら、スタートの合図だよ、わかった?
B:おっとっと。俺たちをからかうなって!
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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