映画『マルコヴィッチの穴』からの出題
コメディ/ドラマ/ファンタジー1999年/アメリカスパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)ジョン・マルコヴィッチ(John Malkovich)、キャメロン・ディアス(Cameron Diaz)、チャーリー・シーン(Charlie Sheen)、キャサリン・キーナー(Catherine Keener)、ジョン・キューザック(John Cusack) ほか
ある日、人形遣いのシュワルツと彼の妻ロッテは、俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中へと通じる入口を見つけた。そこに入れば誰でも15分間マルコヴィッチになれることを知り、1回200ドルで「マルコヴィッチの穴」に入れる商売をスタート。人気アトラクションとなったが、当のマルコヴィッチ本人は、自分に起こっている異変に不安を抱きはじめる…。アカデミー賞3部門ノミネート
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Being John Malkovich
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「be」は「~である」で、「-ing」がつくと「~こと」なので、英語タイトルの直訳は「ジョン・マルコヴィッチであること」。
あぁ、これじゃ日本で売れなさそう…。といっても、うまく意訳できないし…。
そんなワケかどうか知りませんが、
「15分間マルコヴィッチになれる穴」という映画のテーマを邦題に利用して、興味を引く作戦だったのかもしれませんね。じゃ、なんで本国では『Being John Malkovich』という題名でヒットしたのか?
公開時の宣伝コピーは、こうでした。Ever Wanted To Be Someone Else?
他の誰かになりたいと思ったことはありますか?興味を引くフレーズです。そして、タイトルを見た人は、 「誰かが、俳優のマルコヴィッチになる話なんだな」 と理解できる仕組みになっています。
でも、日本人にとって、「be」「to be」「being」というのは、
和訳しづらくて、理解しにくいものですね。違いを図解しておきます。「be」の基本イメージは「イコール」
I am Jun Fukumitsu. 私=ジュン・フクミツ
He is John Malkovich. 彼=ジョン・マルコヴィッチ
「to be」⇒「未来においてイコール」
I want [to be John Malkovich]. [私=ジョン・マルコヴィッチ(◇)]
になりたい(◆)
「being」⇒「今イコールであることをありありとイメージ」
[Being John Malkovich] is fun! [私=ジョン・マルコヴィッチ(◆)]
であることは面白いなぁ(◆)
- 「being」を日常でつかってみよう!
- 映画館から親子が出てきました。
A:I wanna be Spider-Man someday.
B:Wow, great. But listen, son. Being Spider-Man is not an easy job.A:僕、いつかスパイダーマンになりたいな。
B:おおそうか。でもな、坊や、スパイダーマン(をやるの)も大変な仕事なんだぞ。※「wanna be」=「want to be」
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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