映画『プルートで朝食を』からの出題
ドラマ/コメディ2005年/アイルランド、イギリスニール・ジョーダン(Neil Jordan)キリアン・マーフィ(Cillian Murphy)、リーアム・ニーソン(Liam Neeson)、ローレンス・キンラン(Laurence Kinlan) ほか
アイルランドの小さな町で、教会の前に捨てられた赤ん坊パトリック。生みの親は姿をくらまし、近所の一家が彼をひきとる。パトリックは、幼いころから化粧やドレスに興味を見せ、まわりから変わり者あつかいされる。美しい青年に成長した彼は、自ら「キトゥン」と名乗り、カミングアウト。やがて、居場所のない田舎町を飛びだし、実の母親を尋ねてロンドンへと向かうのだが…。
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Breakfast on Pluto
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原作が書かれたのは、まだ冥王星が惑星と見なされていたころ。太陽系のいちばん外側をまわる「Pluto(冥王星)」に、主人公の疎外感をなぞらえたタイトルだと思います。
では、なぜ「で」が「on」なのか?
「on」=「~の上で」と習ったと思いますが、「on」の基本イメージは「~にくっついて」です。われわれは地球という惑星で暮らしています。
We live on Earth.
足が地面(=地球)にくっついているから「on」。ビルや飛行機の中にいても、地球の重力に引っ張られているので、宇宙スケールで考えると、地球にくっついているといえます。これはPluto(冥王星)でも同じです。
ここで、3つの前置詞のイメージをまとめておきましょう。
at ~の点で in ~の中で on ~にくっついて 場所をあらわす前置詞は、ふつう「at」ですね。
レストランで彼を待った。
= I waited for him at the restaurant.この「at」は、地図上のある地点をイメージすればよいでしょう。
近所の牛丼屋でもなく、駅前のカフェでもなく、国道沿いのファミレスで、という感じ。もし、建物の外じゃなくて中だと言いたいなら、「in」または「inside」をつかいます。
雨がやむまで、レストラン(の中)で待った。
= I waited in/inside the restaurant till the rain stopped.もし、建物にくっついているのであれば、「on」の出番です。
スパイダーマンは、レストラン(の壁にくっついた状態)で敵を待った。
= Spider-Man waited for his enemy on (the wall of) the restaurant.
- 「on」を日常でつかってみよう!
- 気になりますね、仕留めそこねた虫って。
A:Hey, where’d that bug go?
I thought it was on the ceiling.
B:Now it’s on your chin…(SMACK!)A:ねぇ、あの虫、どこいったの?
天井にいたと思ったのに。
B:今、君のアゴにくっついてるよ…(ピシャッ!)
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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