映画『インファナル・アフェア』からの出題
犯罪ドラマ/サスペンス2002年/香港アンドリュー・ラウ(Andrew Lau)、アラン・マック(Alan Mak)アンディ・ラウ(Andy Lau;劉徳華)、トニー・レオン(Tony Leung;梁朝偉) ほか
香港マフィアに入った青年ラウは、ボスに見込まれて警察学校に送りこまれる。一方、警察学校で警視に見込まれた青年ヤンは、潜入捜査官としてマフィアに潜り込む。そうして10年余りが経過、ふたりは出世し、それぞれの組織内で重要なポストについていた。ある時、警察が大規模な麻薬取引の情報を入手、摘発にのりだすが、情報が筒抜けで失敗に終わる。この事件をきっかけにして、マフィアと警察の双方が、それぞれの組織内に潜入スパイがいることに気づく…。ブルーリボン賞外国作品賞受賞
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Infernal Affairs
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英語タイトルは『インファーナル・アフェアーズ』なんですね。
さて、どういう意味なんでしょう?Infernal Affairs 地獄の 事情 麻薬取引の摘発が失敗に終わり、捜査官のラウは「内務調査課」に異動を命じられます。これは警察内部の不正を捜査する部署で、英語で言うと、「Internal Affairs (Division)」。
Internal Affairs 内部の 事情 内務調査課 内務調査課の捜査官は、閻魔大王みたいな存在で、悪徳警官もクリーンな警官も、内心ビビりながら接します。そこで、1987年のアメリカ映画『リーサル・ウェポン』では、「Infernal Affairs」と揶揄されていました(「t」→「f」)。
また、中国語原題『無間道』の「無間」は、仏教で最悪の大罪を犯した者が落ちる「無間地獄」のこと。
さらに、「infernal」という英単語からは、ダンテ著『神曲』の『地獄篇(Inferno=インフェルノ)』が連想されます。ダンテの地獄でいちばん重い罪は「裏切り」なので、この映画のプロットにピッタリ!
単に「インターナル」と「インファーナル」を掛けただけのダジャレじゃなく、奈落の底まで届く深~いタイトル英語なんです!
- 「affair」を日常でつかってみよう!
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A:What are you so mad about?
B:I found out that my husband was having an affair!A:何をそんなに怒っているの?
B:夫が浮気をしていたことが発覚したの(分かったの)!※ここでの「affair」は、「事情」でなく「情事」→「浮気(不倫)」
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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