映画『めぐりあう時間たち』からの出題

tty-head-anime

「タイム」より最適な言葉があるんです

映画『めぐりあう時間たち』からの出題

j_jyanruヒューマン・ドラマ/文芸j_seisaku2002年/アメリカj_kantokuスティーヴン・ダルドリー(Stephen Daldry)j_syutsuenニコール・キッドマン(Nicole Kidman)、ジュリアン・ムーア(Julianne Moore)、メリル・ストリープ(Meryl Streep)、エド・ハリス(Ed Harris) ほか
j_arasuji1923年、ロンドン郊外。作家ヴァージニア・ウルフは、この地で療養しながら、傑作『ダロウェイ夫人』を執筆していた。1951年、ロサンゼルス。『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦ローラ・ブラウンは、夫の望む理想の妻を演じることに疲れていた。2001年、ニューヨーク。「ダロウェイ夫人」と呼ばれる編集者クラリッサ・ヴォーンは、作家でエイズ患者の親友リチャードのために、彼の授賞式の準備にとりかかっていた。3つの時代、3つの場所で、ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』に関わる3人の女性たちが、それぞれにとっての“運命的1日”を迎える――。アカデミー賞9部門ノミネート、1部門受賞。
<iframe width="560" height="315" src="//www.youtube.com/embed/TZJCVilXbjQ?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

title_de

dvd_01-01-1

それではさっそく『めぐりあう時間たち』の英語タイトルを見てみましょう。

02-1

な、なにーーー!? The Ho**s だとーーーー!!?
「ホ」で始まる単語っていうと…ホ…ホ…ホース? 「ザ・ホース」ってことは、「馬」が登場する映画なのかな?でも、DVDパッケージの写真や解説には馬なんてどこにも…。せめて「時間」をあらわす「time」ぐらい入ってると思ったのになぁ…。う~ん…。

03

おや?馬に蹴落とされたんかい、そこの兄ちゃん!?

04

タイトル英語イストの福光つぁん! 『めぐりあう時間たち』の英語タイトルは、「ホ」ではじまる単語なんですが、邦題とどう関係あるんですか?
お~、ツタ哉くんかいな!どうもで、まいどで、こんにちは!その「ホ」で始まる単語が「時間たち」でんがな!

question-btm
answer-head

The Hours

「ザ・ホース」ではなく、「ジ・アワー」でした。
実は「hour」には大きく分けて2つの意味があります。

(1)60分の時間単位

(2)時間、期間、時期、時代など、限られた特別な時間枠

ラッシュアワーやランチアワー、空耳アワーなどの「アワー」は2つ目の意味で使われています。決して「60分」という意味ではありません。この映画では、3人の主演女優たちがそれぞれ別の“時間枠”を演じています。

ニコール・キッドマン 1923年のある日+1941年のある日
ジュリアン・ムーア 1951年のある日
メリル・ストリープ 2001年のある日

1冊の小説『ダロウェイ夫人』を接点にして、これらの時間枠たち(the hours)が“めぐりあう”物語なんです。それにしても、ツタ哉くんのいうように、どうしてここでは「時間」を「time」ではなく「hour」で表しているのでしょうか。それは、「限られた有意義な時間」を表す「hour」の方が、作品の雰囲気にピッタリだからです!もし「The Times」だと、世界一有名な新聞「ロンドン・タイムズ」になっちゃいます!

「hour」を日常でつかってみよう!

A:Phew, it was hot today. I need a beer!
B:Me, too! Let’s go to that bar I was talking about.
  Happy hour starts from 6:00, so let’s leave at 5:30.

A:フーッ、今日は暑かったねぇ。ビールが飲みたくなった!)
B:俺もだよ!例のバー(俺が言ってたバー)に行こうよ。
  ハッピーアワーは6時に始まるから、5時半に出よう。

「happy hour」は、バーのサービスタイムのこと。

ふくみっつぁんのプロフィール

本名・福光潤(ふくみつじゅん)。
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!

メルマガ『日刊タイトル英語』ご登録はこちらから。