映画『許されざる者』からの出題

tty-head-anime

そんな帽子をかぶってるから、許されないの?!

映画『許されざる者』からの出題

j_jyanruジャンルj_seisaku1992年/アメリカj_kantokuクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)j_syutsuenクリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン(Gene Hackman)、モーガン・フリーマン(Morgan Freeman) ほか
j_arasuji1880年代のアメリカ西部・ワイオミング州。荒事から足を洗い、改心していたウィリアム・マニーの元へ若いガンマン、スコフィールド・キッドが訪ねてきた。ある娼婦を殺した犯人らに娼婦仲間がかけた賞金が目当てだった。伝説的な無法者として名をはせたマニーも、長年のブランクで、銃の腕は鈍り、馬さえも乗りこなせない状態だったが、幼い2人の子供との生活が楽になればと悩んだ挙句、誘いに乗る。かつての相棒ネッドを加えた3人の追跡が始まるが、町では、権力者の保安官ビルが、賞金稼ぎたちを袋叩きにしていた…。アカデミー賞10部門ノミネート、作品賞を含む4部門受賞
<iframe width="560" height="315" src="//www.youtube.com/embed/XDAXGILEdro?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

title_de

dvd_01-01-1

それではさっそく『許されざる者』の英語タイトルを見てみましょう。

02-1

な、なにーーー!? **forgiven だとーーーー!!?
僕の電子辞書には出てこないんだけど、この単語…。かろうじて、「forgive」=「許す」ってことがわかったゾ。でも、「許されざる者」なんだから、許しちゃダメだよね?う~ん…。

03

~アンアンアン とっても大好き このアニメ♪ ~恥ずくて借りれぬ 兄ちゃんかな…

04

あ、タイトル英語イストの福光つぁん!ドラえもんなら、大人が借りても許されそうですけど、「恥ずくて」って日本語は許されないんじゃないっスかぁ?ところで、「**forgiven」の「**」って、何なの?
お~、ツタ哉くんかいな!どうもで、まいどで、こんにちは!その「**」があるから、許されへんっちゅーことやで!

question-btm
answer-head

Unforgiven

「forgive」は、殺人などの重罪を「許す(赦す)」ことですが、その「forgive」に「-n(ン)」という靴をはかせると、

forgiven  許してもらう

という恩赦にあずかり、牢屋の外へ歩いて出てしまいます。

そこへ「un-(アン)」という帽子をかぶせると、

unforgiven  許されない

となり、帽子を深くかぶったまま人生を歩むことになります。

この「否定」を表す英語の帽子「un-」は、
「不・未・非・無」という日本語の帽子に相当します。

un- + fair unfair 公平な
un- + decided undecided 定の
un- + official unofficial 公式の
un- + reasonable unreasonable 茶な

邦題『許されざる者』の「者」は、ウェスタンっぽい補足ですが、本作品は、正義が悪の命を簡単に暴力で奪ってよいのか、という深刻なテーマを提示し、許されない「人」だけでなく、許されない「事」も描いているようですね。

ちなみに、否定の「un-」はマイナスイメージにつながるためか、映画タイトルに使われることは、あまりありません。

【数少ない「un-」入り英語タイトル例】

1987年、ケヴィン・コスナー主演
 『アンタッチャブル(The Untouchables)』=接触することのできない人たち

2000年、ブルース・ウィリス主演
 『アンブレイカブル(Unbreakable)』=壊すことのできない(不死身である)

「un-」を日常でつかってみよう!
こんな先生、いたっけ。

A:We’re having a pop quiz, guys.
B:That’s unfair!
A:If you fail, you’re gonna have to sing and dance for me.
B:You’re being unreasonable!

A:さあ、抜き打ちテストだぞ。
B:そんなの不公平だ!
A:不合格なら、歌って踊ってもらう。
B:そんなの無茶だ!

ふくみっつぁんのプロフィール

本名・福光潤(ふくみつじゅん)。
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!

メルマガ『日刊タイトル英語』ご登録はこちらから。