映画『ペイ・フォワード』からの出題
ヒューマン/ロマンス2000年アメリカミミ・レダー(Mimi Leder)ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)、ハーレイ・ジョエル・オスメント(Haley Joel Osment)、ヘレン・ハント(Helen Hunt)、ジョン・ボン・ジョヴィ(Jon Bon Jovi) ほか
アル中の母と2人暮らしのトレバー君。中学1年生になって最初の社会科のクラスで、シモネット先生からこの世を良くするには何をすればいい?」という課題を出される。トレバー君は「ペイ・フォワード」という善行連鎖を生む方法を思いつき、実行にうつす。はたして、本当に世界は変わるのか…?!
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Pay It Forward
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「pay it forward」は、この作品で作られた英語表現で、不幸の手紙(チェーンメール)の善意バージョンのこと。親切を受けたら、その報いを親切の相手ではなく別の3人に渡し、その3人も、それぞれ別の3人に渡す…。うまく連鎖すると、すぐに世界中に親切の輪が広がります!
では、英語タイトルを1単語ずつ見ていきましょう。
1)「pay」は、ふつう「(代金を)払う」です。
広い意味では、「与える、渡す」ということ。ここでは 「pay 人 back for 事」=「人がしてくれた事に対して報いる」 という英語表現の「back」に、逆転の発想を加えているようです。2)「it(それ)」は、英語の作品解説などをみると、
「something good」=「a favor」=「親切な行為」を指しています。3) 「forward」は、時間的・空間的な方向を示す「前方へ」。
今日受けた親切を、明日別の人へ渡すわけです。 「明日」が時間的な前方、「別の人へ」が空間的な前方。 「次の代へ」という感じですね。[Pay] [It] [Forward] ↓
与える、渡す↓
それを↓
前方へ、次の人に↓
それ(=親切)を、次の(=親切を受けた人とは別の)人に与えよう邦題のように「It」を抜いてしまったら、せっかくの善意が伝わりませんね(邦題から「It」が姿を消したのは、おそらく語呂の関係でしょう)。
- 「pay」を日常でつかってみよう!
- 給料日は返済日?
A:I’m so happy ’cause it was payday today!
B:Then I’m happy, too. ‘Cause now you can pay me back.A:今日は給料日だったからとってもうれしいんだ!
B:それなら僕も気分がいいよ。君にお金かえしてもらえるだろうからね。
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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