第54話『水と油』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

しずかちゃんとの別れから3年。ロドリゲスはあの有名なトーク番組「ラリー・オング・ライブ」にゲスト出演していた。しかも、マクロナルド社を買収!?急成長をとげたラブカロリー社とロドリゲス。この3年間で、彼の身に何が起こったというのか!?

ラリー・オング:

あなたがマクロ社を買収したその理由は何ですか?まさか、好きだ

から(I’m lovin’ it)なんて理由じゃないでしょう

Larry Ong:

What is the real reason for acquiring McRonald’s?

Don’t tell me that’s because “I’m lovin’ it”.

ロドリゲス:

わっはっはっは!さすがですね、ラリーさん。実におもしろい

Rodriguez:

Wa ha ah ha ha!

I’m fairy impressed, Larry. Precisely intriguing.

ラリー・オング:

あなたがマクロ社を買収するまで、ラブカロリーの認知度は非常に

低かった。それが今ではどうでしょう。株価は3倍に跳ね上がり、

連日連夜、マスコミはこの話題でもちきりだ

あなたが自社の宣伝のためだけに、今回の買収を画策したと思われ

てもしかたないところがありますよね

Larry Ong:

The recognition of Love Calorie was extremely low

until you acquired Macro Co. However, see what it is like now,

the stock rate has skyrocketed threefold,

and the incident has been the only topic of conversation

by media night and day.

It can’t be helped even to consider that you laid this scheme

only to promote your firm.

ロドリゲス:

何をおっしゃいます?そんなことはありませんよ。マスコミの言っ

てることはすべてでたらめです。こうやって記事にされてみてよく

わかりました

Rodriguez:

What are you talking about? That’s not true.

What media says is all wind. I learnt firsthand by having been

written about all the time in articles like this.

ラリー・オング:

なるほど、しかし、あなたのやっていることを快く思わない人々が

いることもまた事実です。「むむむ…われわれの築きあげてきたも

のを…この若造めっっ!」と、今この瞬間、茶の間で血気盛んにほ

え立てているおじさん方がどれほどいることか

Larry Ong:

That explains it, but it is also a fact that there are people

who express discomfort with your conduct.

Like “Hm-hum…..what are you going to do with the heritage

we have built up in our time…… you young squirt!”

Can’t you see how many numbers of middle-aged men are howling

hot-bloodedly in a living room at this instant of time now?

ロドリゲス:

いいがかりです。私にはちゃんとしたビジョンがあるんですから!

Rodriguez:

You’re accusing me falsely. I have a decent vision!

ラリー・オング:

ほほう、そのビジョンとはどのようなものですか?

Larry Ong:

Well, what kind of vision is it?

ロドリゲス:

それは、ずばり、ファーストフードとスローフードの融合です。両

者は決して水と油ではないんです

Rodriguez:

That’s, to be blunt, an amalgamation of fast food and slow food.

The both aren’t as incompatible as oil and water.

fairly: かなり

precisely: まさに

intriguing: 面白い、好奇心をそそる

recognition: 認知(度)

extremely: とてもつもなく

(例)He’s extremely gentle.

(彼は優しさに溢れている)

acquire: 買収する

skyrocket: (株価や相場が)急騰する、上がる

threefold: 3倍の

(be) the only topic of conversation: ~でもちきりである

night and day: 連日連夜

it can’t be helped: いたしかたない、やむを得ない

lay scheme: 画策する

* lay は「構築する」、scheme は「計画・企み」

all wind: (口語)まったくのでたらめである

learn firsthand: 身をもって知る

※今日のトリビア

firsthand は副詞で 「直に、直接体験によって」の意。learn との

組み合わせで、「直接学ぶ」つまり「身をもって知る」の意味になります

that explains it: なるほど(そういうことか)

* 決まり表現。explain は「説明する、明らかにする」

discomfort: 不快(感)

heritage: 遺産、(過去からの)継承物

young squirt: 生意気な若造

middle-aged: 中年の

howl: ほえる

* 動物以外に、比ゆ的に「(人)が大声を出す」という意味

でも使われます

hot-bloodedly: 血気盛んな

at this instant of time now: 今まさにこの時

accuse someone falsely: (人に)言いがかりをつける

decent: ちゃんとした、まともな

(例)She got decent marks at school.

(彼女は学校で相当な点を取った)

to be blunt: ずばり言うと

amalgamation: 融合

incompatible: (性格が)合わない、相容れない

次回予告

ファーストフードとスローフードの融合!?ロドリゲスはQSR産業に新風を巻き起こそうとしているのか?それとも、彼の目的はもっと別のところにあるというのか?自由の国であるはずのアメリカに巣くう数々の既得権益が今、壊れ始める!!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。