第40話『鹿との戯れ』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

女優になるという夢に破れ、実家に帰ってしまったしずかちゃんを追い、日本へやってきたロドリゲス。新大阪駅で大阪弁という難関にぶち当たるも、片言の日本語を駆使して大阪駅までたどり着き、何とか大和路快速に乗る。彼女の住む奈良はもうそこ!

(奈良駅に降り立つロドリゲス)

(having landed at Nara Station)

ロドリゲス:

ここが奈良か。いにしえの香りがするなぁ。ん?あのビーチパラソ

ルはなんだ?せ…ん…べ…い…?おぉ!あれが鹿せんべいを売って

いるという屋台だな。よーっし。行って1枚たべてみるとしよう

スイマセン。しかせんべい、クダサイ

Rodriguez:

Oh, this is Nara.

I can smell the history of great antiquity.

Ah? What’s the beach parasol supposed to be there for?

SE….N……BE……I

Oh! That’s a so-called stall where Shika senbei are sold.

OK, why not go and give eating Shika senbei a try?

スイマセン。しかせんべい、クダサイ

店のおばちゃん:

ほい。150円な

An Obachan shopkeeper:

ほい。150円な

ロドリゲス:

うまそうだ。マスタードとかはつけないのか?

ん?わぁぁああぁーー!なんだこいつらは!?いつの間にか、まわ

りを鹿の大群に包囲されているぞ

Rodriguez:

Looks yummy. Don’t we need any mustard or something on it?

Ha? Ooooh, Jesus! What are they!?

I wasn’t aware until now that I’ve been surrounded

by a large troop of deer.

店のおばちゃん:

なかなかセンベイくれへんから、鹿が怒ってるわ。はよ、それやり

An Obachan shopkeeper:

なかなかセンベイくれへんから、鹿が怒ってるわ。

はよ、それやり

ロドリゲス:

あぅ!こいつらめ、うしろからケツを噛んできやがった…。鹿のく

せに、ちょっと凶暴すぎやしませんか?

うぉっ!俺のせんべいを鹿が…。くそぅ。まだひと口も食べていな

いというのに。むしゃむしゃと旨そうに食べやがって

Rodriguez:

Ouch! These bastards have bit my bottom behind my back……

Aren’t they rather a bit too savage when they’re mere deer?

Hey! The deer are eating my…… Shit.

I haven’t even had a bite myself yet.

Their munching it happily really gets on my nerves.

店のおばちゃん:

(屋台に近づいた鹿に向かって拳骨に息をはきかける)はーーーーっ

コラっ!屋台のは食べたらあかん言うてるやろっ!しっしっしっ

An Obachan shopkeeper:

(breathing upon her fist toward the deer

approaching her stall. Blowing her breath)

コラっ!屋台のは食べたらあかん言うてるやろっ!

しっしっしっ

ロドリゲス:

なるほど…。どうりで屋台のせんべいは食べないはずだ

Rodriguez:

I see. No wonder why they won’t give it a try at the stall.

antiquity: 古代、いにしえ

so-called: いわゆる

stall: 屋台

give something a try: 一丁やってみる

* a try の代わりに a go を使うこともあります。

yummy: おいしい

surround: ~を囲む、包囲する

troop: 群れ

※今日のトリビア

『群れ』はその対象によって言い方が異なります。

[牛、象、あざらし] = a herd of、 [狼、犬、猟犬] = a pack of

[ハト、白鳥] = a flock of、 [猿、鹿、カンガルー] = a troop of

feed: (動物などに)えさを与える

bastard: 悪い人、嫌なヤツ

bite: 噛む

* bite-bit-bitten

savage: 野蛮な

mere: ほんの、単に

munch: むしゃむしゃ食べる

get on one’s nerves: ~が人の神経にさわる

(例)Her shrill voice always gets on my nerves!

(彼女の甲高い声がいつも気に障る!)

approach: 近づく

millions of: 無数の、数えられないほど

no wonder: 道理で~なわけだ、~なのも不思議ではない

(例)No wonder you’ve got a headache. You drunk too much last night.

(頭痛がしても不思議じゃないよ。君、昨日は飲みすぎていたもの)

次回予告

奈良公園で鹿に別れを告げ、バスに乗りこむロドリゲス。向かうは奈良の山奥にあるというしずかちゃんの実家。ついにロドリゲスが彼女と対面する次回に乞うご期待!!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。