第19話『愛の告白は突然に』の巻

header_rod

ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

ロドリゲスがクラブバー薔薇に足繁く通う一方で、妻サラは探偵事務所に彼の素行調査を依頼していた。そんなこととはつゆ知らず、今日はセバスチャンを連れて、バー薔薇にやってきたロドリゲス。探偵の魔の手が彼を待ち構えているというのに…!!

(クラブバー薔薇で友人セバスチャンとお酒を飲むロドリゲス、カウンター越しで、

クラブのママ・バーバラがお酒をついでいる)

(Rodriguez having some drinks with Sebastian, a friend of his

at a bar “Bar Bara”. Madam Barbara is pouring them some alcohol into their

glass over the counter.)

バーバラ:

ロド。あなた最近、しずかちゃんに対してえらくイケズだけど、そん

なことしてたら本当にきらわれちゃうわよ

Barbara:

Rod, I think you have been so nasty to Shizuka chan these days.

If you keep doing that, she will really start avoiding you.

ロドリゲス:

はははー!だいじょうぶだよ、バーバラ。これはすべて計算済みのこ

となんだから

Rodriguez:

Ha ha ha! No worries, Barbara. This is all what I’ve calculated

to do, you know.

セバスチャン:

しずかちゃんって誰のこと~?

Sebastian:

Who is Shizuka chan, by the way?

バーバラ:

ほんとに?計算したうえでの行動には見えないんだけど。私がしずか

ちゃんで、あんなにいじめられたら、あなたに殺意すら感じるわね

Barbara:

Really? Your conduct just doesn’t seem to have been well planned

at all, though. If I were in her shoes and say, you were as hard

on me as on her, I’d want to kill you.

ロドリゲス:

きみはそれでよくクラブのママがつとまるな。いいかい、きらいと好

きは隣り合せなんだよ。死ぬほどきらいなやつのことが、ふとした拍

子に好きになってしまうことだってあるんだ。よく言うだろ?きらい

きらいも好きのうちってね

Rodriguez:

Oh, I wonder how you can manage things as a madam of this bar.

See, love and hate are two sides of the same coin.

Accidentally, you might come to love someone who you’ve loathed

to death. Like people say, they hate what they really love.

セバスチャン:

ぼくの君に対する気持ちみたいなもんだね…(ぽ…←赤くなるセバス

チャン)

Sebastian:

It’s more like your feelings towards me…. (Sebastian…blushing)

ロドリゲス:

そうそう。……えええ!?

Rodriguez:

Oh, yeah…..wh, what???

pour: (液体を)そそぐ

nasty: ひどく不快である、意地の悪い、険悪な

* これひとつで、いかなる“不快感”をも表現できるマルチ(?)な単語。

avoid: 避ける、~と付き合わないようにする(目的語が人の場合)

No worries: 大丈夫!心配ご無用!(口語表現)

calculate: 計算する

* 「計算する」から派生し ⇒ 「もくろむ」といった比ゆ的な意味もあり。

conduct: 素行、行動

be動詞 + in one’s shoes: 人の立場になって

(例) If I were in your shoes, I’d decline the offer.

(もし僕が君の立場だったら、その申し出は断ると思う)

be動詞 + hard on 人: ~に冷たくあたる

Love and hate are two sides of the same coin.

※今日のトリビア

直訳すると、好きときらいは“硬貨の両面”である。

ここから ⇒ 「隣り合わせ」と発想、つまり表裏一体ということ。

accidentally: 偶然に、ふとしたことで

come to: 動詞 ~するようになる

loathe: 大嫌いだ、むかつくほど嫌だ

to death: 死ぬほど

(例) Oh, I am bored to death!

(あー、うんざりするほど退屈だわ!)

blush: (恥ずかしさや恥じらいで)赤面する、顔がぽっと赤くなる

次回予告

酔っ払った勢いで、セバスチャンはロドリゲスに対する長年の思いを口走ってしまう。しずかちゃんのことで頭がいっぱいのロドリゲスに、彼の思いは伝わるのか!?

decorations_tinsel_balls_twig-Christmas_Holiday_Wallpaper_medium

 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。