第100話『遅咲きのリヴ』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

ラブカロリー社の転覆をねらうライバル会社スリムボーン社。彼らの告発で、司法省が動き出した。早朝の自宅で、ラブカロリー社に独占禁止法違反の嫌疑がかけられていることを知ったロドリゲス。サラの手前、いつもどおり平静を装うが…。ついに、混乱のラブカロリー本社で司法省の立ち入り検査がはじまる。

(ラブカロリー本社前に詰め掛けた報道陣と、それに対応する社員たち)

(The press who have been swarming in front of Love Calorie,

and the staff members who are responding to them)

記者A:

独占禁止法違反の疑いで、今日にも本社で司法省の立ち入り検査が

始まるとの情報がありますが、ラブカロリー社として見解をお聞か

せください!!

Reporter A:

Our sources tell us that the Department of Justice will

inspect your headquarters shortly on suspicion of

your violation of the antimonopoly law.

Please give us your comment on the matter

from Love Calorie’s standpoint!!

広報・マシュー:

え…えとですね…わたしどもはまだなにも知らされてい…

Matthew, a PR representative:

Ah, well…..we haven’t be informed of anything yet…..

記者B:

社長はどこにいらっしゃるんですか!?

この件に関して、ロドリゲス社長の意見を聞かせてください!!

Reporter B:

Where is your president!?

We want Mr. Rodriguez to respond to this matter!!

リヴ:

社長はいまこちらに向かっています!!

…彼は、彼は巷や経済界では、常に強者につく日和見主義、またの

名を「Mr.迎合」なんて言われていますが、ほんとは、ほんとは…

純粋でまじめで、情熱的な人なんです。

社員には日ごろから口癖のように、「誠意をもって業務にあたれ」

と言っています。

ですから、今回の件はなにかの間違いです。

彼が悪いことをするはずがありません!!

Liv:

Our president is on his way now!!

…No matter whether it’s on the streets or in the business world,

everyone says that he is an opportunist who always backs the winner;

“Mr GEIGOU”, they call him. But the truth is ….the truth is

he’s pure in thought, a serious and passionate man.

He’s always telling the staff to “Do the job with sincerity”

So, it’s obvious that there must be a mistake.

He’s the last man to do something bad!!

記者B:

失礼ですが、あなたはロドリゲス社長の…?

Reporter B:

Excuse me, but are you Mr. Rodriguez’s….?

リヴ:

社長直属の部署・経営戦略室に所属するリヴと申します

Liv:

My name is Liv and I’ m part of a Business Strategy Team,

working directly with the president.

記者B:

なるほど~、社長のことをよくご存知ですね。ところで彼は――

Reporter B:

I see. You know him inside out. By the way, he…

広報・マシュー:

すいませんが!…弁護士にこれ以上の発言はとめられていますので…

Matthew, a PR representative:

Excuse me! Our lawyer won’t allow us to make further comment…

(ちょうどそのとき、報道陣が一斉にいろめきだつ)

(In that instant, there is uproar among the press)

記者C:

おっ!!司法省の捜査官がやってきたみたいだぞっ!!

Reporter C:

Oh, it seems that the inspectors of the Justice Department

have arrived!!

respond: 対応する、答える

source: 情報筋

standpoint: 観点、見地

(例)We argued the question from a historical standpoint.

(我々はその問題を歴史的観点から論じた)

PR representative: 広報担当

inform A of B: A(人)にBを伝える

(例)Emily has kept me informed of her latest activities in Japan.

(エミリーは、日本での最近の活動状態を知らせてくれている)

opportunist: 日和見主義者

back: バックアップする、支持する

* この back は動詞です。back the winners で「強者、成功者につく、応援する」の意

passionate: 情熱的な

sincerity: 誠意

part of A: Aの一部(分)

* 通例は無冠詞。Aが単数形ならば単数扱い、複数形であれば複数扱い

(例)Part of the students are lazy.

(一部の学生は怠けている)

directly: 直接に

know A inside out: くまなく知っている

※今日のトリビア
know A inside out を直訳すると「Aの裏も表も知っている」。ここから→ 「熟知している、くまなく知っている」。なお、Aには人や事柄がはいります

further: さらに、その上

(例)make a further investigation (さらにつっこんだ調査をする)

uproar: 騒ぎ

次回予告

ロドリゲスの到着を待たずして、本社で司法省の立ち入り検査が始まった。混乱と動揺を隠せないラブカロリーの社員たち。次回、捜査の矛先がロドリゲス本人に向かう!!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。