第102話『アン・ドゥー・トゥロワ』の巻

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ロドリゲス

rodriguez健康産業ラブカロリー株式会社の元オーナー。逮捕され拘置所生活を送る。サラの夫でゴンザレスの父。

サラ

saraロドリゲスの妻でゴンザレスの母。夫の浮気を常に心配しているが夫婦仲はよい。極度のダイエットオタク。

ゴンザレス

gonzalezロドリゲスとサラの息子。父にたくましく育てられるも、母の影響で女の子趣味に育つ。目下お受験準備中。

しずかちゃん

shizukaロドリゲス憧れの女性。長い黒髪と潤んだ瞳が印象的。出演映画のヒットでトップ女優に躍り出る。

潤子ちゃん

junkoバーバラの縁故でラブカロリー社に入社。元上司シェフチェンコに一途な思いを寄せ、彼の子を妊娠。

シェフチェンコ

shevchenko元経営戦略室部長。ロドリゲスの退任後、跡を継ぎ社長に就任。ロドリゲスの闇の姿を知る数少ない人物。

登場人物相関図はこちら


前回までのあらすじ

ラブカロリー社の転覆をねらうライバル会社スリムボーン社。彼らの告発で、ラブカロリー社に独占禁止法違反の疑いがかけられた。早朝、本社立ち入り調査のニュースを知ったロドリゲスは、サラの手前、平静を装い自宅をあとにする。経営戦略室にも立ち入り調査が入ったその頃、彼の車の背後に怪しい黒塗りの乗用車が近づいていた。

(司法省の捜査官が次々に入ってくる経営戦略室)

(At the Business Strategy office, the investigators of the Department

of Justice enter the room one after another)

捜査官A:

反トラスト法違反の疑いで、今から立ち入り調査をおこないます

この場にいるみなさんは、調査が終わるまで一歩たりともこの部屋

から出ないでください

Investigator A:

We’ll now begin the investigation into the suspected violation

of antitrust laws.

No one here is allowed to go a single step out of the room

until the investigation finishes.

潤子ちゃん:

あの~質問です。トイレはどうしたらよいですか?

Junko chan:

Well……I have a question.

What should we do about the bathroom?

フェルナンド:

(や、やばいぞ…!アレが見つかったら、えらいことになる…!)

Fernando:

(Oh, my God. If they find this, it will be a disaster…!)

捜査官B:

んん?そこのあなた!いま、カバンの中に何か隠しませんでしたか!?

Investigator B:

Ah? You! Didn’t you hide something in the bag just now?

フェルナンド:

い、いや…。これはべつに…

Fernando:

No….it’s nothing special……

捜査官B:

証拠隠滅は重罪ですぞ!!いま、そこに隠したものを出しなさい!

Investigator B:

Destroying evidence is a serious offense!!

Take out what you just hid in there!

フェルナンド:

あ!だ、だめ!!これはい、いけない…!!

Fernando:

Ah! No, no!! You can’t do that…….!!

(捜査官ともみ合いになるフェルナンド。カバンの中から何かがぶちまけられる)

(Fernando getting into a shoving match with the investigator.

Something falls out of the bag)

捜査官B:

んん…?こ、これは…?

Investigator B:

Ha…? What is all this stuff….?

フェルナンド:

…バレエのトウシューズとレオタード、そして…ヘアバンドです…

Fernando:

A pair of ballet shoes, a leotard, and a hair band…

シェフチェンコ:

フェ、フェルナンド!!お、おまえ、まさかバレエを…!?

Shevchenko:

Fe, Fernando!! Don’t tell me you do ballet…!?

(一方、ラブカロリー本社に向かう車中のロドリゲス)

(Meanwhile, Rodriguez in the car, heading for the headquarters

of Love Calorie)

ロドリゲス:

シェフチェンコめ、あんな大切な話の途中で電話を切るとは…

Rodriguez:

Oh, no, Shevchenko, you can’t just hang up the phone

in the middle of such an important conversation….

運転手:

社長、さっきからずっと黒塗りの車がつけてきているようです。

マスコミの連中かもしれませんね。次の信号で振り切りましょうか?

Driver:

Mr. Rodriguez, I think a black car has been following us

for quite a while. They may be the press people,

so shall I try and lose them at the next traffic lights?

ロドリゲス:

んん?黒塗りの車…?まあいい、ほうっておけ。

…っといってるあいだに車を横につけてきたぞ。で、窓を開けて、

んでもって、こちらに銃口を向け…

な、なに!?あ、あぶないっ!!!撃たれるぞ~~~~!!!!

Rodriguez:

What? A black car…? Don’t worry about it.

…..the car now draws to our side while we are talking,

then, the window is rolled down,

and a gun is pointed in this direction.

Wh, what!? No! Watch out! They are going to shoot us!!!

one after another: 次々に

(例)The kittens came one after another.

(子猫が次々とやって来た)

suspected: ~の疑いで、疑わしい

violation: 違反

antitrust law: 反トラスト法

disaster: 最悪の事態

※今日のトリビア
本来は、台風や地震などの自然災害を指して使いますが、比ゆ的に「目も当てられない大失敗」という意味があります

(例)Because of the horrible weather, the parade was a complete disaster.

(悪天候のため、パレード行進は散々な結果となった)

destroy: (物理的に)壊す、(証拠などを)隠滅する

evidence: 証拠

serious offense: 重罪

shoving match: 小競り合い

* shoveは「強く押す、押しのける」の意

meanwhile: その一方で、

lose someone: 振り切る、うまくまく

(例)We can lose them if we take the back route.

(裏道を通れば、彼らを上手くまくことができますよ)

traffic lights: 信号

roll down: (車の窓を)下げる

point: ~を向ける

次回予告

ラブカロリー本社に向かう途中、黒塗りの乗用車に乗った何者かに命を狙われるロドリゲス。彼らの目的とはいったい?次回、絶体絶命のロドリゲス、乞うご期待!!

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 ジュミック今井(翻訳)

都内で英会話スクールを運営するかたわら、メルマガ『英語がぺらぺらになりたい!』を発行、英単語やフレーズを絵として覚える「イメトレ暗記」が好評を博している。アルファベットと音のルールを1冊にまとめた『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ほか、語学書も多数執筆。