海外ドラマで英語力アップ

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海外ドラマで英語力アップ

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第100回:海外ドラマで英語力アップ

(1)日本人のコミュニケーション能力は世界一

英語を勉強する際に、もっとも重要なことがある。

それは、

実は、日本人の言語能力やコミュニケーション能力は世界一!!!

ということである。

日本国内では、

「日本人は英語が苦手」

とよく言われているが、それは、決して、日本人の言語能力やコミュニケーション能力が劣っているからではない。

そうではなくて、むしろ、あまりにも日本語が、複雑な内容や、細かいニュアンスまで
伝えられる高度な言語だから、大雑把で、ざっくりした表現しかない英語に置き換えられない、だけなのだ。

シンプルでストレート過ぎる英語に置き換えると、これでいいのかな?と不安に感じる。

日本語で話している時のように、自分の思いを十分に伝えられた気がしない。

だから、いつまで経っても英語ができるようになった気がしない。

あまりにも日本人の言語能力やコミュニケーション能力は優れているから、
前回、お伝えしたように、日本マクドナルドのカナダ人の女性社長の謝罪会見に対して、

『いや、返金いらんから普通に 謝罪すればいいのに何だこいつ?  カナダ人って頭下げない人種?』

『ファミマを見習えよクズ』

『「申し訳ありませんでした。皆様に安心して食べて頂けるよう一層の努力をするつもりです」たったこれだけ言っとけばいいのに返金しないとか、証拠がないとか馬鹿なんじゃね? 』

・・・など等の批判が、山ほど出てくる。

それだけ高度な日本語で考えた内容を、大雑把で、ざっくりした表現しかない英語に置き換えると、たいてい誰でも、慣れないうちは、とても不安。

思いをコトバにできてる気がしない。

日本で生まれて、日本語環境で育った日本人の多くは、程度の差こそあれ、みんな、この感覚を抱くようになる、と思う。

そして、その不安感は、ナチュラルな英語の会話文や英語でのコミュニケーションにかなり慣れて、

「あー、これでいいんだ」

と実感するようになるまで続く。

だいたい、世界の学力ランキング(OECD、経済協力開発機構が実施する「生徒の学習到達度調査」略称PISA=ピザ)とかでは、毎回、上位に入っている日本人が、国際的な英語のテスト(例えばTOEFL)の平均点では、発展途上国なども含め、ずっと昔からほぼ世界最下位クラスに低迷し続けているなんて、どう考えても異常だ。

その原因は、極めて高度な日本語にある、とそろそろみんな気づいてもいい頃だと思うけど、日本国内では、ほとんど誰もこの事実に気づいたり、指摘する人はいない。

素人はともかく、英語を教えている先生や語学の学校などが、もっとちゃんと説明したら良いのに、そうしない。

まったく考えてないのか、そうすると、彼らの威厳が無くなっちゃうから敢えてしないのか、分からないけど・・・。

でも、もし、日本人の言語能力やコミュニケーション能力は世界一だという認識を、しっかり確認しながら、英語を勉強したら、日本国内で生まれ育った日本人でも、一気に英語力がアップする、ような気がする。

そういう認識を持ちながら、自分の考えているアイデアを、大雑把で、ざっくりした表現しかない英語に置き換える・・・ということにもっと慣れれば良いのだ。

英語の教科書や教材に出てくる英文を見て、多くの日本人は、

「教科書だからこんな単純な表現を使ってるけど、実際の会話はそうじゃないんでしょ?」

とか、

「こんな単純な表現じゃ、自分の思ってることの1/10も伝えられないよ」

・・・などと思いがちな気がする。

ずっとそんな風に思いながら勉強していたら、いつまで経っても英語が上達するわけがない。

また、いくら探してみたところで、日本語のような高度な表現をする英語なんて見つからない。

なぜなら、そんなものないからだ。

繰り返すけど、日本人の言語能力やコミュニケーション能力は世界一。

大雑把でざっくりした表現しかない英語には、日本語のような高度な表現なんて最初からない。

とにかく、このことを徹底的に頭に叩き込むことだ。

そのうえで、英語を勉強すれば、

「こんな単純な表現しかない英語なんて本当に簡単だ」

「シンプルでストレートで話せる英語って気持ち良い」

みたいな感覚に、自然になってくる。

その状態で勉強を続ければ、あなたの英語力は、いつの間にか一気に上達するだろう。

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(2)英語の表現に慣れるには?

さて、それじゃ、

「こんな単純な表現しかない英語なんて本当に簡単だ」

・・・と実感できるようになるのには、どうしたら良いのか?

最も効果的なのは、言うまでもなく、実際に、英語を日常的に使う環境に身を置くことだけど、それは日本国内では、不可能ではないけど、楽しみながら続けるのが、かなり難しい。

どうしても修行みたいな感じになってしまう。

そこで、世間一般の方々が楽しみながら英語の表現に慣れる方法として、オススメなのが、『海外ドラマ』だ。

特に、日常生活に近い内容の海外ドラマほど、オススメ。

要するに、そういうドラマなら、日常生活のある場面において、いちいち日本語的な細かいニュアンスにとらわれずに、英語でなんて表現すれば良いのか?を楽しみながら知ることができる。

また、海外ドラマの中でも、特にシチュエーション・コメディ(略してシットコム)と呼ばれるものが最適だろう。

その名の通り、シチューエーションごとにユーモアの溢れる会話が盛り込まれているコメディ・ドラマのことで、これならその性質上、シーン毎に単語や表現などを学習できる。

シチュエーション・コメディは、、英語の学習に最適と言っていいだろう。

その証拠に、子ども向けの教育番組の「セサミストリート」でも、同様の手法は数多く登場する。

有名なマペットのキャラクターのアーニーとバートのコーナーなどは、完全にシチュエーション・コメディになっている。

ビッグバードやカーミットやクッキーモンスターやエルモなどなどが登場するコーナーも、ゲストへのインタビューや歌など交えることもあるが、基本的にはシチュエーション・コメディの構成だ。

飽きやすい子どもたちでも、飽きずに学習できるよう、制作者が考えに考え抜いた工夫が施されていくと、シチュエーション・コメディの構成になるのかもしれない。

これは、子どもに限らない。

大人の視聴者でも、シチュエーション・コメディの構成になっているドラマは、アメリカでも極めて人気が高く、歴史に残る名作ドラマになっているものも多い。

つまり、英語を学習するための教材になりそうなドラマの選択肢も多い、のである。

じゃぁ、何のドラマが良いか?

これまで放送された米国のドラマの中で最も人気が高く、伝説的なシチュエーション・コメディと評されているのが、NBCで1994~2004年に放送された、ニューヨークに住む男女6名のライフスタイル、友情、恋愛などを描いた連続コメディ・ドラマの「フレンズ」(Friends)だ。

毎年、無数のテレビ・ドラマが作られる米国テレビ業界で、放送が終了してから10年も経つのに、今だに映画化や再びドラマ化の噂が絶えない伝説的な名作である。

外国人が英語を学ぶときの学習教材としても、

(1)かたすぎず、くだけすぎない絶妙な表現
親しい友人間、家族間、職場、レストラン等などのシーン毎の会話を学べる

(2)個性豊かな登場人物
主役6人はもちろん脇役もキャラが濃く、幅広い英語表現を学べる

(3)豊富な四季折々の行事ネタ
米国文化やライフスタイルをたっぷりと疑似体験できる

等の理由から、もってこいの内容で、しかも、1話30分だからお手軽に楽しめる。

英語表現に慣れるのには、もってこいというわけだ。

なお、この「フレンズ」は、あまりの人気のため、最後のシーズン(シーズン10)では、主要キャラクターを演じる6名の出演料が1話につき100万ドル(1ドル=100円換算で1億円)に達し、これまで放送された全ての米国のドラマの中で、いまだに最高レベルになっていた。

1人1話1億円とすると、最終シーズンは全18話あるので、主要キャラクターの出演料だけで108億円もかかった計算だ。

いきなり1人1話1億円になるわけないので、シーズンを重ねるごとに制作費は増加していった。

そして、当然、それだけ良い作品を作ろうと制作側のスタッフも、強化されたわけである。

その結果、「フレンズ」では、収録現場にも脚本家や作家陣が常駐し、必要であれば、全員で知恵を絞って、役者が話したセリフや演技の内容をより良いものにその場で変更する・・・
という作業を行うようになっていったのである。

「フレンズ」ほど手間をかけて作られた会話文は、どんな英語教材にもないだろう。

いや、その後、現在まで「フレンズ」ほど手間をかけて作られたシチュエーション・コメディは極めて限られている。
(同じくNBCで1989~1998年に放送されていた”Seinfeld”と、CBSで2003年から続くTwo and a Half Men”に後に首になったチャーリー・シーンが出演していた頃くらい?)

つまり、「フレンズ」に出てくる会話の内容は、当時の最高峰の役者、脚本家、作家陣によって選りすぐられたワードやフレーズが満載になっているのだ。

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(3)ベスト版からでも楽しめる

上述の通り、「フレンズ」はNBCで1994~2004年の10年間に渡って、シーズン10まで放送されたドラマだが、非常にありがたいことに、2001年までの全エピソードの中から
制作者が選んだ20話によるベスト版(The Best of Friends Collection)も出ているのだ。

全部を見るのは大変という方でも、この夏休みに、ベスト版だけなら、見れるだろう。

〔ご参考〕
●The Best of Friends Collection (Vols. 1-4)
http://www.amazon.com/The-Best-Friends-Collection-Vols/dp/B00005NTO4

実は、うちにもこのベスト版のほか全シーズンのDVDがある。

なので、日本でも普通にAmazonとかで購入できると思ったら、どうやら、このベスト版は、アメリカだけの発売のようで、日本のAmazonでも輸入版しか見当たらなかった。

ちょっと残念。

せっかくなので、このベスト版の20話に、どのエピソードが含まれているのかタイトルを挙げておこう。

いずれも名作、神回と呼ばれるものだ。

また、このタイトルだけ見ても、いかに「フレンズ」が英語の学習教材にも最適なのかが
分かるだろう。

◆1枚目
The Pilot
モニカがルームメイトを見つける

“The One With Two Parts”
Season 01 Episode 16 & 17
フィービーは双子だった

“The One With All The Poker”
Season 01 Episode 18
ロスがポーカーにはまる

“The One Where Ross Finds Out”
Season 2 Episode 7
ロスとレイチェルのファーストキス

“The One With the Prom Video”
Season 2 Episode 14
高校時代のプロムの回想

◆2枚目
“The One Where No One’s Ready”
Season 3, Episode 2
パーティに出かける前のドタバタ劇

“The One With the Embryos”
Season 4, Episode 12
フィービーが代理母に

“The One With Ross’s Wedding”
Season 4 Episode 23
ロスとエミリーの結婚式

“The One With All the Thanksgivings”
Season 05 Episode 08
サンクスギビングの過ごし方

“The One Where Everybody Finds Out”
Season 5 Episode 14
モニカとチャンドラーの交際がばれる

◆3枚目
“The One With the Blackout”
Season 1 Episode 7
停電の時の過ごし方

“The One With the Candy Hearts”
Season 1 Episode 14
バレンタインデーの過ごし方

“The One Where Ross and Rachel…You Know”
Season 02 Episode 15
ロスとレイチェルがデート

“The One With the Football”
Season 03 Episode 09
サンクスギビングの過ごし方

“The One That Could Have Been”
Season 6 Episode 15
もしも・・・だったら

◆4枚目
“The One With Chandler in a Box”
Season 04 Episode 08
サンクスギビングの過ごし方

“The One Hundredth”
Season 5, Episode 3
代理母のフィービーが出産(100話目)

“The One With All the Resolutions”
Season 05 Episode 11
新年の過ごし方

“The One Where Ross Got High”
Season 06 Episode 09
サンクスギビングの過ごし方

“The One With the Proposal”
Season 6 Episode 24
チャンドラーがモニカにプロポーズ

以上。

ご覧のとおり、このベスト版の中だけでも、サンクスギビングの過ごし方とか、新年の過ごし方など、何度も季節行事の過ごし方がテーマになってる回があるのだ。

10年も続いたシリーズ・ドラマなので、毎年、同じ時期に同じ季節行事がテーマになることがある。

特に、11月後半のサンクスギビングは、アメリカでは、日本のお正月やお盆のように、家族や親しい友人などと過ごす特別な長期ホリデーのため、「フレンズ」ではテーマになりやすい。

サンクスギビング休暇のない日本人にとっては、アメリカのサンクスギビングが、どのようなものなのか、生活に密着した文化的な行事や、背景を知れる非常に良い教材と言えるが、それが何話も含まれているのだ。

つまり、「フレンズ」のこのベスト版を見るだけで、アメリカのサンクスギビングがどのようなものなのか、よーく理解できるようになる。

これだけでも、見る価値はあると言えるだろう。

同様に、

“The One With the Prom Video”
Season 2 Episode 14
高校時代のプロムの回想

では、日本には存在しないがアメリカの高校では極めて一般的なプロム(卒業式の後に開かれる男子生徒が女子生徒を誘い、ドレスアップして参加するフォーマルなパーティ)の様子なども、楽しみながら、アメリカ文化の一面を垣間見れる名作だ。

さらに、パーティに出かける前のドタバタ劇や、停電の時の過ごし方等など、日常生活でありがちな、こういうシチュエーションの時はどうする?という内容が、いくつもユーモラスだけど、リアリティの高い内容(いわゆる、あるあるネタも満載)で描かれているのが、「フレンズ」の特徴だ。

そんなわけで、「フレンズ」を見て英語に慣れてくると、自然に、

「こんな単純な表現しかない 英語なんて本当に簡単だ」

「シンプルでストレートで 話せる英語って気持ち良い」

という感覚になれる。

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(4)どのくらいシンプルなのか?

一応、どのくらい単純な表現なのか、上述の「フレンズ」ベスト版の中でも評判の高い、

“The One Where No One’s Ready”
Season 3, Episode 2
パーティに出かける前のドタバタ劇

の中のワンシーンから参考までに会話文を以下ご紹介しておこう。

お出かけする前に、女性がどの服にしようか悩む・・・というのは万国共通。

誰にとっても身近な話題と言えるだろう。

特に、パーティに行く前のドレス選びには時間がかかり、バタバタ劇が展開するというのがこの回のストーリーの大筋。

ちなみにこのパーティは、ロスの勤める博物館で開催される寄付集めのベネフィット・パーティという設定である。

レイチェルは、さんざんいろいろ悩んだが、ロスに早くしろと怒られて機嫌を悪くし、部屋からスウェットの上下を着て出てきた。

どうしてドレスじゃないの?!
という場面から。

**************************************

ロス: Um. I know it says “black tie optional,”
but, um, this may be pushing it a little, um.

確かに「ブラックタイはしてもしなくても良い。」
と案内状に書いてあるけど、でも、これは
ちょっとやり過ぎなんじゃないのかな。

レイチェル: I’m not gonna go.

私は行かないわよ。

ロス: You’re not gonna go?

行かないの?

レイチェル: No, I think I’m gonna catch
up on my correspondence.

えぇ、行かないわ。これから手紙の返事を
書くつもりなの。

ロス: How, how, um, how can you not
be going?

どうして行かない、なんてことになるの?

レイチェル: I’m not gonna go. So I think
that will accomplish the “not going.”

私は行かないの。
だから「行かないということ」になるの。

ロス: Um, you know, just out of curiosity…

あぁ、ほら、ちょっと好奇心から尋ねたいんだけど…

レイチェル: Well, ever since I was
humiliated and yelled at in front of
my friends, I’m just, I don’t know,
not in a very museum benefit-y kind
of mood.

友達の前で恥をかかされて、大声でどなら
たから、私は、そうねぇ、博物館の利益に
なること[博物館の寄付集め]をするよう
な気分じゃないのよ。

**************************************

全編、中学英語でも理解できるほどシンプルで単純な表現だ。

特に、”I’m not going.”(私は行かない)を、ロスが聞き返したり、レイチェルが繰り返すなどして、様々な表現で言いあらわしているのがおもしろい。

レイチェル: I’m not gonna go. So I think
that will accomplish the “not going.”

等と、ジョークも交えており、
自然に”I’m not going.”の使い方をよーく理解できる。

また、こんなに短い会話文なのに、ロスが「なぜ?」と尋ねる質問には、

ロス: How, how, um, how can you not
be going?

とか、

ロス: Um, you know, just out of curiosity…

などと、それだけでも覚えておくときっと便利な日常生活で使える表現になっている。

こういう会話文が、「フレンズ」では、各シチュエーションごとに山ほど出てくるのである。

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(5)注目の最新ドラマは?

以上のように、「フレンズ」の話をすると、じゃぁ今、注目のドラマは?
という話になる。

そりゃ、そうだ。

いくら名作と言っても、10年も前に終わってるドラマのほかに、今、見ておくべき最新のドラマがあるのでは?と誰でも疑問に思うだろう。

実際、この10年間に、アメリカではいくつも人気のドラマは登場している。

ただ、なかなか「フレンズ」に匹敵する社会現象を起こすほどの人気ドラマは出てきていない、というのが現実で、その後、出演料が1人1話100万ドルの大台を超えるような作品も、つい最近まで出てこなかった。

それが、ちょうど今、ニュースになっているのだが、1人1話100万ドルの大台を超えるドラマが現れたのだ。

そのドラマとは、

“The Big Bang Theory”
(ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則)

CBSで2007年9月24日から放送が
続いているシチュエーション・コメディ形式のドラマ。

日本では、2009年からスーパー!ドラマTV(cs310)にて、日本語吹替版が放送されている、
とのこと。

あらすじは以下の通り。

**************************************

2人合わせたIQが360という二十代の仲良しオタクコンビ、レナードとシェルドンは、カリフォルニア工科大学の物理学者。

カリフォルニア州パサデナにあるアパートで同じ部屋に住むルームメイト同士でもある。

2人揃って頭脳は明晰で、博士号を得るほど賢いが、どうも世間からズレていて友人はみんな変わり者。

しかもルックスがイマイチなので女性にモテる気配もない。そんな2人の部屋の向かいにある日、キュートなブロンドの独身美女、ペニーが引っ越してきたことから始まるコメディ・ドラマ。

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・・・とまぁ、最初は主要キャラクター3名からはじまって、現在は、

『仲良しオタク男子四人組と個性的な 女の子三人組が繰り広げる、大ヒット ラブ・コメディ』(公式サイトより)

となっている。

オタクが主人公ではあるが、友人同士の日常生活を描くというのは、「フレンズ」に似た設定になっているので、「フレンズ」に慣れた方には、とっつきやすいドラマだろう。

また、オタクの物理学者というキャラクター設定から、スティーブン・ホーキング博士ほか以下のような実在の著名人が本人役で出演することもある。

シーズン2-17:ジョージ・スムート博士(2006年ノーベル物理賞受賞者)

シーズン5-21:スティーブン・ホーキング博士(英国の理論物理学者)

シーズン5-23:マイク・マッシミーモ(NASA飛行士)など。

さらに、物理学に関係する会話には、ちゃんと監修がついていて、UCLA(カリフォルニア大LA校)で物理学と天文学の教授をしているデヴィッド・サルツバーグが、台本の段階から数学の方程式などが正しいかをチェックしており、コメディなのに、無駄にリアリティが高いということでも評判になっている。

〔ご参考〕
●ビッグバン★セオリー
ギークなボクらの恋愛法則
http://www.superdramatv.com/line/bigbang/index.html

この「ビッグバン★セオリー」の興味深い点として、もともと、それほど人気がなかったドラマだったものが、徐々に話題を呼んで、全米ナンバーワンの座に上り詰めたという珍しい背景がある。

2007年9月~2008年5月に放送されたシーズン1では、平均視聴者数が968万人で、全米テレビ番組ランキングの68位だったのが、以下の通り、どんどんランクアップしていったのだ。

◆2008年9月~2009年5月の シーズン2で44位(平均1311万人)。

◆2009年9月~2010年5月の シーズン3で12位(平均1632万人)。

◆2010年9月~2011年5月の シーズン4で15位(平均1405万人)。

◆2011年9月~2012年5月の シーズン5で8位(平均1654万人)。

◆2012年9月~2013年5月の シーズン6で3位(平均2000万人)。

◆2013年9月~2014年5月の シーズン7で2位(平均2044万人)。

以上の通り、シーズンを重ねるごとにどんどん人気が高まって、現在は2位。

ちなみに1位は、NBCのアメフトの中継番組(Sunday Night Football)となっている。

アメリカでは、スポーツ、特にアメフトの試合中継番組は、それはもう桁違いの人気ぶりで高い視聴率を得るのが当たり前、他の一般的なテレビ番組とは別物、ということを勘案すると、実質的に、ドラマに限らず、現在、アメリカで放送されている全てのテレビ番組の中で、
最も人気があるのが「ビッグバン★セオリー」と言っていいだろう。

〔ご参考〕
●Full 2012-2013 TV Season Series Rankings
http://www.deadline.com/2013/05/tv-season-series-rankings-2013-full-list/

こうした人気ぶりを背景に、「ビッグバン★セオリー」の主要キャラクターの俳優人が、
出演料の値上げ交渉に入り、次のシーズンの制作が中断したというニュースが報じられた。

ちょうどこの1週間ほどのニュースだ。

アメリカでは、人気のないドラマは放送開始後、3話もたずに打ち切りになることも珍しくないが、「ビッグバン★セオリー」は、高い人気を背景に、すでにこの先、3シーズン分の制作が決定している異例中の異例のドラマ。

最初のシーズンの3名の主要キャストの出演料は、少なくても1話につき6万ドル(600万円)以上だったが、シーズン4までに1話につき20万ドル(2000万円)、さらに昨年のシーズン7までに、1話につき50万ドル(5000万円)へとアップしていた。

そして、今回、ついに1人1話100万ドル(1億円)の大台に到達する、しかも、この大台を超えるのは、「フレンズ」以降、滅多にない特別なことということで、ちょうど今、
アメリカでは、いろいろとニュースが出ていて、話題になっている。

「フレンズ」はもう何度も見たから、別の新しいドラマはないの?とお探しの方に、オススメだろう。

〔ご参考〕
●‘Big Bang’ Co-Stars Mayim Bialik
& Melissa Rauch Get Major Salary
Bumps As Show Faces License Fee &
More Cast Negotiations
http://www.deadline.com/2013/09/big-bang-theory-mayim-bialik-melissa-rauch-pay-raises/

●Are the Big Bang Theory salaries out of line?
http://www.theglobeandmail.com/arts/television/are-the-big-bang-theory-salaries-out-of-line/article19976062/

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それにしても、大作映画とかじゃなくて、テレビの連続ドラマで、しかもたった1話あたりの出演料が1億円って、本当にすごい話ですよね。

英語の勉強のため・・・とかじゃなくて、「フレンズ」にしても、「ビッグバン★セオリー」にしても、それだけお金をかけて作っても元が取れる内容になっているわけですから、普通に見ておいて損はないドラマというか、今、この時代を生きているなら、見ておかないと逆に損なくらいのドラマだと思います。

りばてぃりばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。
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