アハ体験!人間の本能が求める快感

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アハ体験!人間の本能が求める快感

By: Mike Licht

脳に快感 アハ体験!

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(1)人間の本能が求める快感

今回の特集では、戦後の日本では軽く見られがちというか、その本当の重要性がまったく語られてこなかった『アート』を取り上げ、日本の未来をより良いものへと変えていくための能力について考えてみた。

ちょっと難し過ぎたかもしれない?

そこで、もう少し単純明快シンプルに、なぜアートが人間に良い影響を及ぼすのかについて書いておこう。

アートが人間に良い影響を及ぼす単純な理由。

それは、アートを見た瞬間に得られる驚きや喜びなどの感情が、人間の本能が求める快感だから・・・である。

厳密に言うと、脳が求める快感。

「アハ体験」のようなもの・・・と言ったら、日本の皆さんには分かりやすいのではないだろうか?

ご存知ない方のために、「アハ体験」について少し説明しておこう。

「アハ体験」とは、日本で有名な脳科学者の茂木健一郎さんが提唱する人間が、ひらめきや気づきの瞬間に「あっ!」と感じる体験のこと。

「アハ」は英語の間投詞(aha)で、「ああ、なるほど」といった意味。

茂木さんによると、人はアハ体験の瞬間、わずか0.1秒の間に脳内の神経細胞が一斉に活性化するという。

さらに、やや極端な表現ではあるが、茂木さんいわく、

「アハ体験とは、分かった瞬間に 頭がよくなる体験」

とのこと。
すごい話だ。

もし、本当に脳を活性化してくれて、頭がよくなるっていうのなら、そりゃぁ誰でも、「アハ体験」を一回でも多く体験してみたいと思うだろう。

じゃぁ、どうやったら「アハ体験」を体験できるのか?

茂木さんがよくテレビ番組などでやってるのは、2枚の同じような絵や写真の「間違い探し」か、2通りの見方のできる一枚の「だまし絵」(斜め後方を向いている若い婦人と、右を向いた老婆の横顔の2通りに見える例がなどが有名)に何が描かれているのかを当てるといったものだ。

多分、なんだそんなことで?って思われる方もいらっしゃるだろう。

「間違い探し」や「だまし絵」なんて、小学一年生など、自分がまだ幼い子どもの頃に読んでた雑誌とか絵本などでもよく見かけたものだ。

子どもの頃、さんざんそれで遊んでたけど、そんなに脳が活性化して頭が良くなってる実感は、たぶん、皆さん、あまり感じてないのではないだろうか?

プロの専門家である茂木さんが、真面目に提唱しているものなので、「アハ体験」に脳を活性化して、頭を良くする効果があることは間違いないとは思うけど、そのための方法が、「間違い探し」や「だまし絵」ばっかりだとなんだかイマイチな気がする。

だいたい普段使ってない脳の様々な部分を使うことが良いのであれば、そのための方法が、「間違い探し」や「だまし絵」ばっかりってこと自体がおかしい。

ごくごくたまに「間違い探し」や「だまし絵」を見るのなら、ある程度、効果はあるだろうけど、毎日、何度も繰り返して見ていたら、結局、脳内の作業としては、同じことの繰り返しになってきて、得られる「アハ体験」も薄くなる気がする。

そこで、じゃぁどうしたら良いか?というと、アート作品だ。

「アハ体験」は、「間違い探し」や「だまし絵」からじゃないと得られないものではない。

要するに、物事の見方を一方向からだけではなくいろいろと見方を変えてみることで、初めて気づくことがあり、その「ああ、なるほど!」という気づきが、「アハ体験」というわけだ。

だったら、「間違い探し」や「だまし絵」のような決まりきった制約がいっさいないアート作品を見るときに、自由に物事の見方をいろいろと変えてみて、「ああ、なるほど!」という気づきをいっぱい体験した方が、より脳を刺激して、頭が良くなるはずである。

「間違い探し」や「だまし絵」にはつきものの正解も、アート作品にはそもそも存在しないというのも、さらに「アハ体験」につながりやすいような気がする。

だいたい「アハ体験」が、人間の本能が求める快感だと言うのであれば、「間違い探し」や「だまし絵」につきまとう手垢のついた古くささや、面倒くささのような快感とは程遠いイメージが、そもそもおかしいと思うんだけど、なんで誰もそう言わないんだろう。

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(2)多様性とアハ体験!

・・・とまぁ、アートが人間に良い影響を及ぼす単純な理由として、「アハ体験」を取り上げてみた。
ね、シンプルでしょ?
要するに、アート作品を鑑賞する際に、見方を一方向からだけではなくいろいろと変えてみることで、初めて気づくこと沢山あって、「ああ、なるほど!」という気づきがあればあるほど、脳が活性化され、頭が良くなるというわけだ。

なかなか面白い。

さて、ここで改めてニューヨークという街の特徴について考えてみよう。

世界中から多種多様の文化や価値観を持つ多様な人種や民族から成るニューヨークでは、常に、あらゆる場面で、物事の見方を一方向からではなく、いろいろと変えてみないと理解できないことに遭遇する。

例えば、お店で何か買おうと思ったときの陳列方法や接客態度、あるいは、そもそもそのお店の存在自体が、文化や価値観の違いによって、結構、大きく異なってくるので、一方向からの見方だけしかしてないと、失敗のもとになったりするわけだ。

日本人の文化や価値観だけで見ていたら、視野に入っていて見えているのに、その存在にまったく気づかないという物事やお店も、そこらじゅうにゴロゴロしている。

いつまで経っても、
「あら?! こんなところにこんなものあったっけ???」
のような「アハ体験」がある。
殆ど毎日、アハ!、アハ!、アハ!とやってる感じ。

しかも、多分、こういう感覚は、最初からアメリカ(あるいはニューヨーク)で生まれ育った人よりも、まったく異なる文化や価値観を備え持っていて、機会があるごとに比較できる他の国からやってきた人の方がより頻繁に感じる気がする。

つまり、似たような欧米文化を最初から共有するヨーロッパとかカナダなどから来た人よりも、日本人の方がニューヨークで感じる「アハ体験」は濃厚になるだろう。

さらに加えて、ニューヨークでは、街中のあちこちにアート作品が存在している。

それも、名もなきアーティストの壁の落書きのようなものから、世界的に有名なアーティストがギャラリーやアート支援団体から依頼を受けて展示している作品まで、多種多様だ。
普通の街角ですら、多様性に溢れ、アハ!、アハ!、アハ!って感じなのに、そこに「アハ体験」を得るのにはもってこいのアート作品が加わると、アハ!×アハ!=・・・という感じで、もうすごいことになってくる。

茂木さんの提唱するとおり、「アハ体験」が人間の脳を活性化し、頭を良くするというのであれば、街角に様々なアートやお店や多様な人々がいっぱいのニューヨークを頻繁にお散歩している日本生まれの日本人は、ニューヨークを楽しみながら、めちゃめちゃ頭が良くなれちゃうかもしれない。

もっとも、ニューヨークに来ても、一方向の日本的な文化や価値観に縛られて、多様性に溢れる本当のニューヨークの姿が見ているのに見えてない人もいると思うけど。

だから、たぶん、物事の見方を1つじゃなくて、いろいろと変えてみながら、「アハ体験」を1つでも多く体験しようって意識を持ってみると良いのかも???

そうしたら、脳が活性化して、さらにニューヨークが楽しくなって、おまけに頭も良くなっちゃう?!

さっそくちょっと意識してみよっと。

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「多様性のもたらすもの」のコーナーでは、より良い日本の未来を築くうえで、役立ちそうな発想や情報を織り交ぜながら、ニューヨークの最大の魅力である「多様性」について感じたことや思っていることを書き綴っていこうと思います。

また、逆に、人口の98%以上が日本人であるため、ニューヨークのような「多様性」が社会に見られない日本だからこそ持つ長所や強みなどについても取り上げていきます。

いずれにしても、日本の中にいると気づかなかったり、見過ごしがちなアイデ
アや視点を少しでもお届けできれば良いかなと思います。

 

りばてぃりばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。
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