映画『パルプ・フィクション』からの出題
アクション/マフィア1994年/アメリカクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)ユマ・サーマン(Uma Thurman)、ジョン・トラヴォルタ(John Travolta)、サミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)、ティム・ロス(Tim Roth)、アマンダ・プラマー(Amanda Plummer)ハーヴェイ・カイテル(Harvey Keitel)、クリストファー・ウォーケン(Christopher Walken)、ブルース・ウィリス(Bruce Willis) ほか
ファミレス店内で強盗の計画を立てているチンピラのカップルや、盗まれたトランクを取り返そうとするクールなギャング・コンビ、八百長試合に手を染めてしまう落ち目のボクサーなどの面々が、ギャングのボスを中心に、時差のあるエピソードをつないでいく…。アカデミー賞7部門にノミネート、脚本賞を受賞。カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
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Pulp Fiction
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「pulp」とは、もともと製紙原料の「woodpulp(木材パルプ)」のこと。
転じて、粗悪な紙を使ったチープなクオリティーの
「pulp magazine(パルプ雑誌、三文雑誌)」を指すようになりました。20世紀前半のアメリカで大人気を博したこのパルプ雑誌には、
いわゆる読み捨てレベルの探偵小説やSFなどが掲載され、
俗に「pulp fiction(パルプ・フィクション)」とも呼ばれました。
どぎついカバーアートが特徴(こんなのやこんなの)です。また、パルプ雑誌に掲載された作品自体も「pulp fiction」といえます。
フレーズのニュアンスとしては、「低俗でくだらない話」といった感じ。
まとめると…、「pulp fiction」
◇出版メディアタイプ(雑誌の種類)⇒「三文雑誌」
◇出版物の掲載内容(作品の種類)⇒「三文小説」
この映画タイトルは、古き良きアメリカ大衆文化へのオマージュであり、
「ほら、B級のくだらねぇストーリーをゴチャマゼにしたぜ!」と、
タランティーノ監督が、自嘲気味に+誇らし気に言っているようです。『Pulp Fiction』などと謙遜したタイトルで、
アカデミー脚本賞をとっちゃうなんて、さぞ痛快だったに違いありません!ちなみに、パルプ雑誌に掲載されていたコマ漫画が独立したものが、
低年齢層向けに「アメコミ(comic book)」として流行しました。パルプ雑誌のどぎつい表紙を飾った“パルプヒーロー(pulp hero)”、
たとえば、「快傑ゾロ」や「ターザン」や「英雄コナン」などは、
活字から飛び出して“アメコミヒーロー(comic hero)”となり、
さらには映画化・ゲーム化もされ、1世紀近い人気を誇っています!かつてアメリカで粗製濫造されていたパルプ・フィクションも、
近年のマルチメディア・コンテンツ再利用ブームに、
一役買っているようですね。
- 「pulp fiction」を日常でつかってみよう!
- 文具コーナーにて。
A:Do you have any American pop-culture postcards?
B:Sure. How about this one?
It’s the cover art of some pulp fiction.A:アメリカン・ポップカルチャーの絵葉書って、置いてますか?
B:ええ。これはいかがですか?
何かのパルプ雑誌のカバーアートですよ。
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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