ディクシー・チックス『ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス』からの出題

tty-head-anime

ナイスなレディじゃないってば!

ディクシー・チックス『ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス』からの出題

j_jyanruカントリーj_happyo2006年/アメリカj_sakushiナタリー・メインズ(Natalie Maines)、エミリー・ロビソン(Emily Robison)、マーティ・マグワイア(Martie Maguire)、ダン・ウィルソン(Dan Wilson)j_utaensouディクシー・チックス(The Dixie Chicks)
j_gakkyoku2003年、ロンドンでのライブ中に、ボーカルのナタリーが、自分たちと同郷のブッシュ大統領を恥ずかしく思うと批判。この政治的発言が、空前のボイコット騒動を引きおこした。3年たって、この事件に区切りをつけるべく書かれた楽曲。歌詞には、死をほのめかす脅迫状が届いたことも歌われる。全米チャート最高第4位、全英チャート最高第70位。第49回グラミー賞にて、ディクシー・チックスが受賞した最多5部門のうち、この曲は最優秀楽曲賞を含む3部門で受賞。
<iframe width="420" height="315" src="//www.youtube.com/embed/pojL_35QlSI" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

 

title_de

dvd_01-01-1

それではさっそく『ノット・レディ・トゥ・メイク・ナイス』 の英語タイトルを見てみましょう。

02-1

な、なにーーー!? Not ***** to Make Nice だとーーーー!!?
「ナイスなレディじゃない」って歌かと思ってたけど、 「レディ」=「Lady」じゃなかったの?!ディクシー・チックスは、ナイスな女性グループだもんなぁ。待てよ、この「*****」に、見覚えあるぞ。でも、思い出せない…。う~ん…。

03

~3人の レディの姿に ついジャケ借り ~でも曲知らない 兄ちゃんかな…

04

あ、タイトル英語イストの福光つぁん!たしかに、知ってるのはこの曲しかないけど、アルバムの他の曲は知らない方が、ドキドキしていいッス。この「レディ」=「*****」って単語も、意味知らないからドキドキしてたり…。
お~、ツタ哉くんかいな!どうもで、まいどで、こんにちは!今日は時間がないから、ヒントなしで答えてしまうで~!心の準備はええか~?

question-btm
answer-head

Not Ready to Make Nice

答えの「ready」は、「準備のととのった」という意味で、
「Are you ready?(アーユーレディ?)」=「準備はいいかい?」
の「レディ」として、おなじみです。

ある動作の準備についてなら、「to」を使います。

「be ready to~」=「~する準備ができている」

例:Now I’m ready to go.
さぁ、行く準備ができた。

身支度や持ち物など具体的な物を準備する必要がない場合、
すなわち“心の準備”が必要な場合にも同様に使いますが、
日本語訳には、「準備」以外の言葉がよいかもしれません。

例:I’m ready to admit I was wrong.
自分が間違っていたと認める覚悟ができた。

I’m not ready to admit I was wrong.
自分が間違っていたなんて認めたくない。

次に、タイトル英語を含むサビ部分の歌詞を見てみましょう。

♪歌詞引用
 I’m not ready to make nice
 I’m not ready to back down
 I’m still mad as hell
 And I don’t have time
 To go round and round and round

 機嫌をなおせって言われても、イヤよ
 言ったことを取り消すなんてできない
 いっとくけど、私まだカンカンだから
 これ以上、時間をムダにしたくないの
 延々とケンカに付きあってられないわ (意訳:福光)

このあとに続く歌詞でも、
「やりなおしはきかないし、たとえできたとしてもするつもりはない」
と、3年たっても許せない気持ちを歌っています(楽曲情報を参照)。

イラク侵攻に踏みきったブッシュ政権を批判したのは、ナタリーが、
幼い子を持つ母として、子どもたちや兵士たちに死んでほしくない、
そんな純粋な願いからだったそうです。

政治的な主張でも商業的な打算でもなく、表現の自由の下に、
人間として感じることを述べただけだったので、これからも、
『Not Ready to Make Nice』の姿勢をつらぬくのでしょうね。

「ready」を日常でつかってみよう!
定番の日本語ギャグを、英語でいうと?

A:Ready! Set! Go! is the signal for the start, got it?
B:Whoops. You’re pulling our legs!

A:位置について、用意、ドン!と言ったら、スタートの合図だよ、わかった?
B:おっとっと。俺たちをからかうなって!

ふくみっつぁんのプロフィール

本名・福光潤(ふくみつじゅん)。
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!

メルマガ『日刊タイトル英語』ご登録はこちらから。