映画『許されざる者』からの出題
ジャンル1992年/アメリカクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン(Gene Hackman)、モーガン・フリーマン(Morgan Freeman) ほか
1880年代のアメリカ西部・ワイオミング州。荒事から足を洗い、改心していたウィリアム・マニーの元へ若いガンマン、スコフィールド・キッドが訪ねてきた。ある娼婦を殺した犯人らに娼婦仲間がかけた賞金が目当てだった。伝説的な無法者として名をはせたマニーも、長年のブランクで、銃の腕は鈍り、馬さえも乗りこなせない状態だったが、幼い2人の子供との生活が楽になればと悩んだ挙句、誘いに乗る。かつての相棒ネッドを加えた3人の追跡が始まるが、町では、権力者の保安官ビルが、賞金稼ぎたちを袋叩きにしていた…。アカデミー賞10部門ノミネート、作品賞を含む4部門受賞
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Unforgiven
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「forgive」は、殺人などの重罪を「許す(赦す)」ことですが、その「forgive」に「-n(ン)」という靴をはかせると、
forgiven = 許してもらう
という恩赦にあずかり、牢屋の外へ歩いて出てしまいます。
そこへ「un-(アン)」という帽子をかぶせると、
unforgiven = 許されない
となり、帽子を深くかぶったまま人生を歩むことになります。
この「否定」を表す英語の帽子「un-」は、
「不・未・非・無」という日本語の帽子に相当します。un- + fair = unfair 不公平な un- + decided = undecided 未定の un- + official = unofficial 非公式の un- + reasonable = unreasonable 無茶な 邦題『許されざる者』の「者」は、ウェスタンっぽい補足ですが、本作品は、正義が悪の命を簡単に暴力で奪ってよいのか、という深刻なテーマを提示し、許されない「人」だけでなく、許されない「事」も描いているようですね。
ちなみに、否定の「un-」はマイナスイメージにつながるためか、映画タイトルに使われることは、あまりありません。
【数少ない「un-」入り英語タイトル例】
⇒1987年、ケヴィン・コスナー主演
『アンタッチャブル(The Untouchables)』=接触することのできない人たち⇒2000年、ブルース・ウィリス主演
『アンブレイカブル(Unbreakable)』=壊すことのできない(不死身である)
- 「un-」を日常でつかってみよう!
- こんな先生、いたっけ。
A:We’re having a pop quiz, guys.
B:That’s unfair!
A:If you fail, you’re gonna have to sing and dance for me.
B:You’re being unreasonable!A:さあ、抜き打ちテストだぞ。
B:そんなの不公平だ!
A:不合格なら、歌って踊ってもらう。
B:そんなの無茶だ!
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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