映画『ソウ』からの出題

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ノコギリ?見た?登場人物の名前?

映画『ソウ』からの出題

j_jyanruホラー/サスペンス/ミステリーj_seisaku2004年/アメリカj_kantokuジェームズ・ワン(James Wan)j_syutsuenケイリー・エルウィズ(Cary Elwes)、リー・ワネル(Leigh Whannell)、ダニー・グローヴァー(Danny Glover)、モニカ・ポッター(Monica Potter) ほか
j_arasuji目を覚ましたゴードンとアダムは、広いバスルームにいた。互いが、向かいの壁に足首をクサリでつながれて。部屋の中央には拳銃自殺した死体。2人に用意されていたのは、一発の銃弾やレコーダー、2本のタバコ、着信専用携帯などの小道具。そして「6時間以内に相手を殺すか、2人とも死ぬか」とのメッセージを受けとる…。一方、タップ刑事は、残忍な死のゲームを仕掛ける連続殺人犯を追っていたのだが…。ソリッド・シチュエーション・スリラー。
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それではさっそく『ソウ』の英語タイトルを見てみましょう。

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な、なにーーー!? S** だとーーーー!!?
あれ?「So」じゃないんだ?!この「S**」を電子辞書で引くと、 「ノコギリ」って意味と、「見た」ってのがあるけど、どっち?ひょっとして、ありがちな登場人物の名前とかだったりして?う~ん…。

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おや、店のまん中で兄ちゃんが倒れている!これを目撃するのは、今日で49(死苦)回目…。イヤな予感…。

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あ、タイトル英語イストの福光つぁん!49回も同じ場面を見てるんだから、そろそろボクだと気づいてくださいよぉ~。ところで、「S**」はノコギリ?見た?登場人物の名前?
お~、ツタ哉くんかいな!どうもで、まいどで、こんにちは!そうそう、ソウゆーこと!それ3つとも合ってるで!意図のこもったコワ~イ題名やから、スペル覚えときや!

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Saw

単語 発音 意味
so ソウ だから
saw ソー (1) ノコギリ
(2) 見た

◆邦題『ソウ』はウソの発音
日本語版の予告編では、最後に「SAW ソウ」というタイトルが現れ、尻上がりの「So?」=「で?(どうする?)」という台詞が流れます。「SAW」の題字からホントの意味を隠す(ネタバレを防ぐ)ため、「ソウ」というウソの発音を邦題にしたのかもしれません!

◆英題『SAW』の第1の意味
まず、「saw」は密室に用意された小道具のひとつである「ノコギリ」の意味。「チェーンソー(chain saw)」などの「ソー」がソウです。

◆英題『SAW』の第2の意味
「see」の過去形「saw」のこと、つまり「見た」です。ワン監督は、この「見た」がホントのタイトルの意味だと言っています。さて誰が何を見たのか?未見の方は、ご覧になってくださいね。

◆英題『SAW』の第3の意味
連続殺人犯は「ジグソウ(jigsaw)」と名乗り、「ジグソーパズル(jigsaw puzzle)」のような難題を、被害者に仕掛けます。また、「jigsaw」の本来の意味は「糸ノコ」。たしかに、パズルピースとなる小道具のノコギリは、糸ノコでした。

このように、邦題『ソウ』にこめられた意図もナゾですが、英題『SAW』が持つ3つの意味も暗示的。衝撃のラストへとみちびく、 “意図のこもった=糸ノコ持った”コワ~イ映画タイトルでした!

「saw」を日常でつかってみよう!
おや、ノコギリで曲を演奏している人が…。

A:I just saw a man playing a strange instrument on the street.
B:Yeah, I saw him, too. It’s called a “musical saw”.

A:さっき通りで、ヘンな楽器を演奏してる人がいた(を見た)わ。
B:うん、僕も見たよ。あれは「ミュージックソー」っていうんだ。

ふくみっつぁんのプロフィール

本名・福光潤(ふくみつじゅん)。
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!

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