映画『フル・モンティ』からの出題
コメディ1997年/イギリスピーター・カッタネオ(Peter Cattaneo)ロバート・カーライル(Robert Carlyle)、マーク・アディ(Mark Addy)、トム・ウィルキンソン(Tom Wilkinson)ほか
かつては鉄鋼業で栄え、今では失業者のあふれるイギリス北部の街。愛する息子の養育費が払えないガズは、親友のデイヴとともに、失業者仲間を集め、男性ストリップショーで一儲けしようと考える。同じく失業中の元上司ジェラルドは、社交ダンスの趣味を生かして、みんなのストリップダンス指導を引き受け、フラッシュダンスさながらの特訓を始めるが…。アカデミー賞1部門、英国アカデミー賞4部門受賞
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丸裸、スッポンポン
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映画『フル・モンティ』の英語タイトル「The Full Monty」はイギリスで俗語として使われている言葉です。 語源は、20世紀初頭のイギリスで仕立屋を営んでいた「モンタギュー・バートン(Montague Burton)」の愛称「Monty」。彼の店でスーツを注文する際、ベーシックな2ピースにベストとスペアパンツを合わせることを「go for the full monty(フルコース仕立てでお願いする)」と言ったそうです。 その後、「the full monty」は次のような意味で定着しました。
the full monty
⇒ 完全なスーツ(2ピース+ベスト+スペアパンツ)
⇒ まるごと全部(=the whole thing)
「完全なスーツ」と「丸裸、スッポンポン」じゃ、まるで正反対じゃないの?という疑問がわきますが、映画のストリップショーの場面で次のようなセリフがあります。
We’re going for the full monty!
(さぁ、まるごと全部、いっちゃうよ!)「脱ぐ」とは言っていませんが、この場面で「まるごと全部」といえば、「一糸もまとわぬ姿になって、全部見せちゃいます」という意味になりますね。 ちなみに、それまで「the full monty」という言い回しが知られていなかったアメリカでは、1997年の本作公開をきっかけに、「完全なヌード、スッポンポン(= being totally nude)」という映画の意味だけが定着しました。
- 「full(いっぱい)」を日常でつかってみよう!
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A:Do you want some more?
B:No, thanks. I’m full.A:もっと食べる?(おかわりする?)
B:もういいよ、ありがとう。満腹なんだ。
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ふくみっつぁんのプロフィール
1971年、兵庫県生まれ。特許翻訳者。 英語講師、日本語学校の海外営業、霞ヶ関の特許翻訳専門会社勤務を経て、現職。 メルマガ『日刊タイトル英語』を発行、 ホームページ『タイトル英語』を運営。 英語のおもしろさを読者と分かちあう。英検1級。TOEIC955点。 たまにシンガーソングライター&イラストレーター。
著書『翻訳者はウソをつく!』(青春出版社)好評発売中!
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