日経新聞よ。クルーグマンの記事を報じよ!

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日経新聞よ。クルーグマンの記事を報じよ!

私は日経新聞を取っているのですが、この新聞社も情けないですね。日本のまともな経済誌なんて、ほぼこの新聞くらいしかないのに、アベノミクスを提唱した当の本人が、アベノミクスは失敗だという記事を出したことを、全く報じる姿勢を見せません。軽減税率で安倍首相のご機嫌を損ないたくないのでしょうか?何たる体たらく。この新聞社には、いつもがっかりさせられますが、本当に報道魂がありませんね。

経済英語

■■1.英語原文

(Rethinking Japan)

(1)
And here’s the thing: under current conditions,
with policy rates stuck at zero, Japan has no ability
to offset the effects of fiscal retrenchment with
monetary expansion.

The big reason to raise inflation, then, is to make
it possible to cut real interest rates further than is
possible at low or negative inflation, allowing
monetary policy to take over from fiscal policy.
(一部引用 THE NEWYORK TIMES:OCTOBER 20, 2015 9:11 AM

 

■■2.英文構造診断

(Rethinking Japan)

(1)
And here’s the thing: /S1V1
under current conditions, /
with policy rates stuck at zero, /
Japan /S2
has /V2
no ability /
to offset /
the effects /
of fiscal [retrenchment:縮小] /
with [monetary expansion:金融緩和].

The big reason /S1
to raise inflation, /
then, /
is /V1
to make it possible /
to cut [real interest rates:実質金利] /
further than /
is possible /
at low or negative inflation, /
allowing monetary policy /S2(前の文章全部がS)V2(分詞構文)
to [take over:~に代わって] /
from fiscal policy.

 

■■3.対訳

(Rethinking Japan)
(日本を再考する)

(1)
And here’s the thing: /S1V1
under current conditions, /
with policy rates stuck at zero, /
Japan /S2
has /V2
no ability /
to offset /
the effects /
of fiscal [retrenchment:縮小] /
with [monetary expansion:金融緩和].
(政策権利が0で息詰まる現在の状況下では、
日本は、財政縮小の影響を打ち消す能力がない。、)

The big reason /S1
to raise inflation, /
then, /
is /V1
to make it possible /
to cut [real interest rates:実質金利] /
further than /
is possible /
at low or negative inflation, /
allowing monetary policy /S2(前の文章全部がS)V2(分詞構文)
to [take over:~に代わって] /
from fiscal policy.

(インフレ率を引き上げる理由は、現在は、低金利や
マイナスのインフレ率よりも、実質金利を引き下げることを
可能にするためであり、これが、金融政策が財政政策に
とって代わることを可能にする。)

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■■4. 訳出のポイント解説(英語)

(無料版では、有料版冒頭部のみ掲載しています。)
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今日は(3)に登場したthroughについてです。

今回は、「~で」あるいは「~によって」と訳されています。

さて、ところで皆さんは、日本語で「~で」と訳される単語は山のようにあります。

by,with,onなどです。

今日はその違いを明確にして、すっきりしましょう。

簡単に一言で言ってしまえばその違いは、「対象物との距離による」です。

分かりやすくするために例文で見ていきましょう。

This novel is written by Ken.

この1文にbyの感覚が詰まっています。
byは、動作主の感覚を意識しています。

・・・・・・・・・・・

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■5.経済コラム

まあ、小難しいことをクルーグマンは言っていますが、要は、少子化問題が思ったよりも深刻で、もっとインフレ率上げないとヤバイよね、というだけの話です。

以前、というか、アベノミクス開始直後の私の解説をちょっと載せておきます。

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まあ、今日の文を見ると、難しいことを難しく行っていますが、実際は簡単なことを言っています。

日本に住んでいる「アンパンマン」と、インドに住んでいる「カレーパンマン」に例えて、物すごーく単純なモデル化した話をしてみましょう。

アンパンマンが住んでいる日本では、100人の人が住んでいるとします。
日本は超高齢化社会で、1年で20人ずつ人口が減っていき、5年後に滅びます。

大して、カレーパンマンが住んでいるインドでは、1年に20人ずつ人口が増えていきます。

さて、これら2つの国を、「潜在成長力」「自然金利」「実質金利」という視点で見てみましょう。

「潜在成長力」というのは、GDP成長率のことです。

アンパンマンが住んでいる日本では、人口が20%ずつ減っていきますので、労働力も当然20%ずつ減っていきます。

そうすると、潜在成長率は、-20%です。
(実際は、100人→80人(1年目)と、80人→60人(2年目)では、減速速度は違いますが、まあ、難しい問題は考えないようにしましょう。)

・・・・・・・・・・・

■■6.もう一度原文

(Rethinking Japan)

(1)
And here’s the thing: under current conditions,
with policy rates stuck at zero, Japan has no ability
to offset the effects of fiscal retrenchment with
monetary expansion.

著者:八木 翼

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