トンデル車(Kia Motors)

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トンデル車(Kia Motors)

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【トンデル車(Kia Motors)】

プロバスケのスーパスター、ブレイク・グリフィンが空母から車で発進?・・・

■課題文■

(03″~)

Blake: (Q1) come back alive make sure you tell Emily.

Director: Cut! Cut! Cut.Hey Blake! (Q2) doing?

Blake: Preparing for takeoff. (Q3) the bad guys. Over.

Director: (Q4) plane? Cars don’t fly!

Blake: The Optima does. (Q5) high-tech cock-pit and a turbo charged engine. Over.

Director: Don’t have to keep saying “over”.

Blake: Over.

Director: You’re supposed to be in a jet, like those guys!

Blake: See the bad guys are expecting me to be in a fighter jet, (Q6) midsize sedan. I’ll fly in under the radar.

Director: No, no, no…

Blake: Over!

Director: Okay. We’re going with the car.

(Q7).

Man: Ready for action!

Blake: Let’s bake this cake!

<<語句と表現>>

●語句の意味が複数ある場合は主にこのCMで該当する意味を記します。
●リスニング課題の部分に含まれる語句は省いています。

☆ Kia   起亜自動車

☆ takeoff  離陸

☆ Over.  「以上。」無線のやりとりで使う言葉。

☆ You’re supposed to be in a jet.

be supposed to~ という表現は実によく耳にします。

義務や約束、仕事の取り決めなどで~することになっている、という意味。
「本来ならば~するはずなのに…」というニュアンス。

☆ under the radar

字義通りには「レーダーで探知できない低空飛行で」。
これを転じて、イディオムとして「気づかれずに」の意味で使います。

fly under the radar と flyを使って「目立たないように/人に気付かれないように、行動する」

でも、ここではユーモラスに字義通りの意味も兼ねて使っています。

☆ bake this cake こいつをやり遂げよう、get it doneの意味で使っています。
Blake Griffinは、ちょっと捻った個性的な言い回しを使う人なんで、これも彼独特のセリフと考えていいです。
(bake this cakeには、ティーンのスラングで別の意味もあります。)


◆解答と省エネ発音のポイント


●カジュアル度の高さは♪から♪♪♪で表わします。

♪:フォーマルな会話で使っても問題ない。
♪♪:カジュアルな会話向け。
♪♪♪:カジュアル度高し。

●できるだけ実際の音に近い音をアルファベットとカタカナで記しますが、これはあくまで参考です。

●曖昧母音(発音記号 が e の上下逆さまになったやつ)、を @ で表記します。

●曖昧母音以外の母音が非常に弱い、曖昧な音になったものも、@で表記することがあります。

Q1 If I don’t ⇒ ’fai don’
☆♪♪  If I ⇒  ‘fai

If と I が連結しています。

そして If の出だしの母音はきわめて軽く、曖昧。

If だけを単独ではっきり発音するのは「もし」ということを強調したい場合のみです。

以下のような文頭だと、If と次にくる人称代名詞が続いてよけい聞き取りにくくなりがちです。

If I  →  ’fai

If you →  ’few

If he →  ‘f(h)ee

☆♪ don’t ⇒  don’

語尾の破裂音[t]は破裂していません。

Q2♪♪ What are you  ⇒  Wadar you
What の[t]が「軽く弾くD」の音。

「ワダー」と「ワラー」の中間のような音になります。

ただし舌先の位置は「ダ」や「ラ」よりも、ずっと上。
上の歯の付け根あたりです。

これは[t]や[d]の本来の発音をするときの所定位置です。

「軽く弾くD」については、こちらに音声サンプル付き説明あり
(Android OSの方は、Firefoxを使ってください。)

Q3 It’s time to destroy  ⇒  ‘ts time t@ destroy

☆♪♪ It’s  ⇒  ‘ts

出だしの母音が、軽くて曖昧になっています。

☆♪♪♪  to destroy  ⇒  t@ destroy

to の強い省エネ。destroyとまとめてほとんど一語のように聞こえます。

to は、母音がほとんど聞こえません。

省エネレベルは、まずは to が軽い 「タ」に近い音になりさらに強く省エネして、こういう音になります。

カジュアルなスペリングだとこの to の音を ta と表記します。

例えば、

I really need ta see ya. (I really need to see you.)

I gotta go. (I’ve got to go. got to の to が、このtaの音。)

Q4♪♪ Where’s your   ⇒  Where jure

学校でも習う省エネ。

でも、この監督役の人の話し方は、滑舌が悪く、全体にだらしないし、周囲の雑音もあるんで聞き取りにくい部分が多いと思います。

このセリフの plane なども、文脈を考慮しながら聞かないと、分かりにくいですね。

Q5 It’s got a   ⇒  ’ts godda

☆♪♪  It’s   ⇒  ’ts

これもまた、出だしの母音が軽くて曖昧になっています。

☆♪  got a   ⇒  godda

2語が連結。

got の[t]は「軽くはじくD」。
まだ[t]の名残が結構残っている音です。

Q6♪ not a ⇒ nodda

これも2語が連結して[t]が「軽くはじくD」。

音的には特に聞きにくいわけでもないのですがここで “not a….”と付け足しているということを学校英語の発想からだと、なかなか気づかないことがあります。

それで、こんな簡単なセリフの聞き取りに考え込んでしまったりします。

自然な英語で書かれたものをたくさん読むことが大切ですね。

Q7 Kind of works. ⇒  Kinda works.

☆♪♪  Kind of ⇒  Kinda

省エネ自体は基本的なもの。

カジュアルなスペリングでも kind of を kinda と書くことはよくあります。

ただ、発音全体がだらしないのと、こういう主語のないセリフというものに慣れていないととっさには分かりにくいですね。

◆全文と訳文(意訳)◆

<全文>

(03″~)

Blake: (Q1If I don’t) come back alive make sure you tell Emily.

Director: Cut! Cut! Cut.
Hey Blake! (Q2What are you) doing?

Blake: Preparing for takeoff. (Q3It’s time to destroy) the bad guys. Over.

Director: (Q4Where’s your) plane? Cars don’t fly!
Blake: The Optima does. (Q5It’s got a) high-tech cock-pit
and a turbo charged engine. Over.

Director: Don’t have to keep saying “over”.

Blake: Over.

Director: You’re supposed to be in a jet, like those guys!

Blake: See the bad guys are expecting me to be in a fighter jet,
(Q6not a) midsize sedan. I’ll fly in under the radar.

Director: No, no, no…

Blake: Over!

Director: Okay. We’re going with the car.

(Q7Kind of works).
Man: Ready for action!

Blake: Let’s bake this cake!

<訳文(意訳)>

(03″~)

Blake: もし俺が戻らなかったら、必ずエミリーに伝えてくれ。

Director: カット! カット! カット。
おい、ブレーク! 何のマネだ?

Blake: 離陸の準備さ。悪いやつらをやっつけに行くんだ。以上。

Director: お前の飛行機はどうした?車じゃ飛べんぞ!

Blake: オプティマは飛ぶさ。ハイテクのコックピットとターボ付きエンジンもある。
以上。

Director: 「以上」って繰り返さんでもいいから。

Blake: 以上。

Director: お前、ジェットに乗ることになってんだよ。あいつらみたいにさ!

Blake: ほら、悪いやつらは俺がジェット戦闘機に乗ってるって予想してんだろ。
中型のセダンじゃなくてさ。気づかれないで飛んでくのさ。

Director: ダメ、ダメ、ダメ…

Blake: 以上!

Director: わかったよ。車で行くぞ。

ま、できんこともないだろ。

Man: 発進準備!

Blake: やったろうじゃないか!

matsuo
松尾 光治
大手英会話学校のニューヨーク校駐在員として1989年に渡米。その後、カリフォルニア、シリコンバレーのハイテク企業で9年ほど勤めたのち独立、現在はニューヨークで通訳・翻訳業。
日本人が苦手とするカジュアル英会話を翻訳家の松尾光治氏が伝授!
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