TEDビデオ:Pia Mancini「インターネット時代に民主主義をよりよくするために」
How to upgrade democracy for the Internet era
アルゼンチンで、インターネットとモバイルデバイスを活用して国民が国政に直接的に参加できる仕組みを作っている Pia Mancini による、インターネット時代の民主主義はどうあるべきか、という非常に興味深いテーマのスピーチです。
最近の日本の政治を見ても、選挙で選んだ政治家たちに国の運営を任せるという議会制民主主義が時代遅れなことは明らかです。日本でもようやくインターネットを利用した選挙運動が解禁されましたが、最初の一歩に過ぎません。
もっと重要なのはさまざまな政策決定への国民の直接的な関与です。より多くの情報が公開されるべきだし、国民の意見をリアルタイムに吸い上げてそれを反映する仕組みが必要です。有識者会議という「選ばれた人たち」だけが参加出来る閉じた会議を、インターネットで誰でも参加出来るオープンな会議に変えるべきです。
Pia Mancini が、スピーチの冒頭で、今の政治のシステムは、「政治への無関心」と「実質的な影響力を持たないノイズとしての市民運動」しか生み出さないとバッサリと切り捨てている点には思わず強くうなずいてしまいました。
福島第一原発での事故前から、一部の人たちは原発の危険性を強く訴えて来ました。しかし、彼らの声は、政治家にとっても一般国民にとっても「ノイズ」でしかなく、私を含めた大半の国民は、「原発のことは専門家たちに任せておけば十分」と、全く関心を寄せませんでした。
原発の安全神話はその「ノイズと無関心」という構図の中で育まれ、力を蓄え、それが最終的には「滅多に来ない巨大津波対策など必要ない」という判断を当事者たちにさせることになったのです。
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。 NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。
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