NYコミコンから考える日本文化人気の理由

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NYコミコンから考える日本文化人気の理由

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第111回:NYコミコンから考える日本文化人気の理由

(1)NYコミコンを大きく取り上げた理由

今回はNYコミコン特集の最終回をお届けしよう。

『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』にて3回連載)

 

ブログ上では、結局、NYコミコン関連だけで合計16本も記事を書いた。

その16本の他に、今年からニューヨークではじまったNYコミコンと連動するポップカルチャー全体のお祭りイベントである「スーパーウィーク」の記事や、初音ミクさんが、深夜の人気トーク番組にご出演された記事などもある。

〔ご参考〕〜16本目の関連記事
●なぜ初音ミクは世界中で人気なのか?
成功のカギはChain of Creation
http://nyliberty.exblog.jp/23625382/

また、実は、まだブログ上で公開してない初音ミクさんのギャラリー展の様子の記事も、今後、アップする予定だ。(極端に話題が偏らないよう、現在、その他の話題を追加中)

とにかく、これまで10年ほどブログを続けてきたけれど、1つのイベントに関連して、こんなに多くの記事を書いたことはなかった。

異例の対応だ。

なんでそうしてるのか?というと、理由は簡単。

日本のマスコミが、殆どこの話題を取り上げていないからだ。

そう、日本国内では、NYコミコンやそれに関連した話題が、まったくと言っていいほど、ニュースになっていない。

インターネット上で稀に見かける関連ニュースも、コスプレがどうこうとか、ごくごく表面だけ見た極めて薄っぺらい内容ばかりだ。

そんなものいくらあっても、ほぼ役に立たない。

日本の文化やポップカルチャーが海外で、どれほど多くの人々に受け入れられ、尊敬され、愛されているか?などのような日本人にとって極めて重要な情報や考察があまりに無さ過ぎる。

これがどれだけ異常なことかちょっと考えてみたら、誰だって分かるだろう。

グローバル化時代に、最も肝心になる日本文化を愛してくれる外国人の方々の実態を何も知らないで、日系企業、政府機関の方々は、いったいどうやって正しい判断ができるというのだろうか?

このままでは、こうした海外の実情に関する情報の乏しい日本国内の日本人は、ここ一番の大事な局面で、重要な判断を間違える危険性が高い。

・・・っていうか、実際、日本国内の感覚や慣例だけで、勝手な想像や思い込みによって実施され、うまくいかなかった失敗例はすでに山ほどある。

しかも、NYコミコンは、今年、集客人数でついにサンディエゴを抜いて、北米最大のコミコンとなった。

また、NYコミコンと連動するポップカルチャーのお祭り「スーパーウィーク」も、今年からニューヨークではじまった。

おまけに、NYコミコンの主催団体は、同様のコミコンをオーストラリア、インド、パリで開催する計画を発表しているのだ。

もし、近い将来、日本国内の日本人と外国の方々の間で、日本文化に対する評価や考え方にある格差が問題視されるようになるとしたら、この2014年のNYコミコンが、その後その格差がいっそう拡大することになった1つの分岐点になるかもしれない。

今回のNYコミコンには、そのくらいの意義があると言っていいだろう。

それに、NYコミコンの影響力は、そのイベント、あるいは、会場だけに留まらない。

ジャビッツ・センターで開催される各種コンベンション全体についても同じことが言えるが、ここで開かれるイベントには、あるジャンルの最先端の情報や商品などが集まり、それが何らかのカタチで米国社会全体へと普及していく性質を持っているのだ。

例えば、ブログ上で今週取り上げたフラットアイアン・ビルのすぐ近くに先日オープンしたレゴ・ストア。

マンハッタン内では、ロックフェラー・センター内にある1号店に続く、2店目のお店で、当然のことながら、店内の内装デザインなどについて、かなり入念な企画や計画が行われたと予想される。

その店内の限られたディプレイ・スペースに、日本のお寿司や、相撲取りを再現したレゴ・アート作品が展示されているのだ。

〔ご参考〕
●NYにオープンしたレゴ・ストア
FLATIRON DISTRICT店
名物のジオラマも登場
http://nyliberty.exblog.jp/23634420/

レゴ・ブロックは、もともとデンマーク生まれの玩具メーカーで、日本とは直接何も関係がない。

また、このフラットアイアン・ビル横にオープンしたレゴ・ストアの内装は、アメリカの歴史をテーマにしており、当然、お寿司も相撲取りも、まったく関係がない。

されに、こうしたレゴ・アート作品を展示できるスペースには、限りがある。

だから、企画段階から、何らかの基準によって、じっくりと選び抜かれた作品しか展示されない。(っていうかできない)

通常、展示スペースには、シンデレラ城のように特別なセットになっている商品を組み立てた状態のものとか、毎月開催されるレゴ教室の告知のために、そこで作った作品などが優先的に展示される。

つまり、セット商品でも何でもない純粋なレゴ・アート作品が展示できるスペースは極めて限定されている。

そんなところに、日本文化の象徴的存在のお寿司や相撲取りが展示されている、というわけだ。

別に世界の国々の食べ物がレゴ・アートになって展示されてるわけじゃない。

スペインの闘牛士と牛とか、エジプトのピラミッドやスフィンクスなど、他にいくらでもレゴ・アートになって良さそうなものはいくらでもある。

それにも関わらず、お寿司や相撲取りなのだ。

しかも、最も注目の集まるオープン早々に・・・。

なぜ、こんなことになるのか?

その理由は、おそらく、現在、米国(ニューヨーク)では、多くの人々が、日本文化に対して、憧れや敬意などのポジティブなイメージを持っているから、だろう。

それ以外に、特にコレという理由は見当たらない気がする。

このレゴ・ストアは、それだけ、多くの人々に、日本文化が好意的に思われている事例の1つとも言える。

しかも、NYコミコンとこのレゴ・ストアは直接的にまったく何も関係がないのだ。

りばてぃりばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。
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