今週のメルマガ:学校で教えて欲しかった、こんな英文法!

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© shutterstock/Ollyy


其の百六十三解説


次の if-節構文 に不自然な箇所があれば訂正してください。

I’ll give you $300 if it will help you to go on holiday.

 

 

答:不自然な箇所はありません。

受験英語やTOEIC英語で「if-節の中では未来のことでも will を使わず、現在形を用いる」というルールを機械的に暗記させられた人は if it will help の will を不自然だと思ったのではないでしょうか?

このルールは厳密に言うと「if-節が条件を表すときは、未来のことでも will を使わず、現在形を用いる」と説明されなければいけないのですが。。。

今回の問題文のように if-節が条件を表すのではなく、if-節が主節の動作の結果を表す場合には if-節の中で will を用いるのです。

「if-節が条件を表す」とか「if-節が主節の動作の結果を表す」とか、なんだかわかり難いですよね。

では、 次の2文を比較しながら、もっと簡単に説明しましょう。

1) I’ll give you $300 if I win the lottery.   [条件]
2) I’ll give you $300 if it will help you to go on holiday. [結果]

1)は条件を表す if-節です。英語の語順通り前から訳してみましょう。

「300ドルあげましょう、もし私が宝くじに当たったら」

ここで「条件の if-節」の本質を簡単に説明すると、条件を表す if-節の動作は最初に起こるということです。
「まず宝くじが当たることが起きたら、300ドルあげる」
こういう意味なのです。

言い換えれば、「当たらなければ、300ドルあげないよ」という意味ですね。つまり300ドルをあげる、あげないは、if-節の宝くじが当たることがまず条件なのです。

「宝くじに当たるという条件なら、300ドルあげるね」

これが条件を表す if-節です。

では、if-節が主節の動作の結果を表す2)の文も同じように前から訳してみましょう。

2) I’ll give you $300 if it will help you to go on holiday.
「300ドルあげましょう、その結果、あなたが休暇に出られるなら」

こんな和訳になりますが、「結果の if-節」では300ドルを何らかの条件付きであげるのではなく、まず300ドルをあげるのです。

300ドルあげれば、その結果、あなたが休暇に出かけられるから。これが問題文2)の意味なのです。

前述したように、条件を表す if-節の動作が最初に起こるということを理解すると、問題文2)を条件文のように和訳すると不自然になります。

「もし300ドルが休暇に出られる援助になるという条件なら、300ドルあげましょう」

300ドルをあげる、あげないは、if-節の300ドルが休暇に出る援助になることがまず条件になります。

「300ドルが休暇に出られる援助になるという条件なら、あげるね」という意味ですが、なんだか変でしょう。

だって100ドルでも、300ドルでも、500ドルでも、援助になりますよね。だから300ドルが援助になるか、ならないかは条件にならないのです。

もっと、端的に言ってしまえば、こうなります。

「if-節が条件を表す」ときは if-節(X)が先に起こり、主節の内容(Y)が後で起こります。

1) I’ll give you $300(Y)  if I win the lottery(X).
宝くじに当たる(X) そして、300ドルあげる(Y)

それに対して「if-節が主節の動作の結果を表す」ときは、逆になり、主節の内容(Y)が先に起こり、if-節(X)が後に起こるのです。

2) I’ll give you $300(Y)  if it will help you to go on holiday(X).
300ドルあげる(Y)、その結果、(X)休暇に出かける助けになる

もっと本質論を言えば、「条件」の if-節なのか「結果」の if-節なのかは、will の本質を知ることです。

will を和英辞典で引くとたくさん意味が出てきますが、will の本質は「意志」または「予測」の2つです。この基本イメージから will は色々と派生していきます。

したがって、will は「意志」または「予測」と考えればよいのです。

今回の問題はやや難問でしたが、重要なことは、日常英語は学校英語の範囲だけで
はカバーできません。だから英語をもっとフレキシブルに捉えていきましょう。

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学校で教えて欲しかった、こんな英文法!
学校では教わらない目からウロコの英文法。たとえTOEICで高得点を取っても、She read a book for her daughter last night. が不自然に感じなければ本当の英語力とは言えません。学習者の抱える英文法のモヤモヤをここで解消!英語を「わかる→面白い→使える」という好循環に!

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