
今週のメルマガ:学校で教えて欲しかった、こんな英文法!
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其の百六十二解説
次の If-節「もし良い秘書が見つかれば…」に続く文はどっち?
If we can find a good secretary,…
1) we will save money.
2) we would save money.
さて、今回の問題ですが、答に1)を選んだ人も意外と多いのではないでしょうか?
その理由はおそらく学校英語で if構文を機械的に丸暗記させられたからだと思います。
学校英語(受験英語)では、次のように if-節構文の3つを機械的に覚えさせます。
第1型(条件文) – If we play tennis, I’ll win.
第2型(仮定法過去) – If we played tennis, I would win .
第3型(仮定法過去完了) – If we had played tennis, I would have won .
これらの構文をしっかりと覚えた人ほど問題の答に1)を選んだのではないでしょうか?
なぜならば、問題文の If we can find a good secretary,… は第1型になるのでこれに続く主節には will を選んでしまいがちなのです。
当メルマガで何度か言及していますが、これらはあくまでも基本形です。
日常英語ではこれ以外の構文も存在していることを是非覚えておいて下さい。
if構文の思考回路は方程式ではなく、あくまでも「現実世界での事柄」なのか「空想世界の事柄」なのか、で判断しましょう。
この思考回路が構築されれば、色々なバリエーションの構文が自然にわかるようになりますよ。
では、今回の問題をこの視点で見てみましょう。
1) If we can find a good secretary, we will save money.
(もし良い秘書を見つけることができれば、お金の節約になる)
if節は「can 」主節は「will 」つまり、話し手の頭の中は現実世界の事柄を伝えているのです。
「良い秘書を見つけること」も「節約」も、どちらも現実の話として伝えています。したがって、実際に良い秘書を見つけることも、節約できることも、どちらも可能性があることを前提に話しているのです。
それに対して、
2) If we can find a good secretary, we would save money.
(もし良い秘書を見つけることができれば、お金の節約になるだろう)
2) の文では主節に would の過去形を借用しているので、if節は現実世界の事柄を表しますが、主節では空想世界の事柄を表しています。
つまり、「良い秘書を見つけること」は現実に可能であるが、実際に「節約」ができるかどうかは空想の話しとして伝えられているのです。
話し手の頭の中は前半部で実際に良い秘書を見つけることはできても、後半部では本当に節約につながるかどうか、半信半疑なのです。
確かに、言われてみればそうですよね。
たとえ優秀な秘書を雇っても、本当に経費が節約できるかどうかはわかりませんよね。
このわからないというニュアンスが would なのです。
このように話し手が現在その可能性を心の中でどう描いているかによって、if節で現実世界を表し、主節で空想世界を表すこともふつうにできるのです!

学校で教えて欲しかった、こんな英文法!
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