究極のハイテク防衛兵器

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元アメリカ陸軍中尉の加藤喬氏が世界各国に派遣される米兵に現地語を教える独自のカリキュラムを用いて英語を解説!
また、軍隊を切り口に様々な国の背景も紹介します

今回は「究極のハイテク防衛兵器」の動画で英語を学びましょう。SF映画やアニメの世界で登場するレーザー兵器です。故レーガン大統領が提唱した戦略防衛構想(Strategic Defense Initiative: SDI) の現代版と言えるでしょう。

三種類のレーザー兵器が開発中ですが、解説する部分はジャンボ・ジェット搭載の大型で、敵国での大陸間弾道弾 (ICBM) の打ち上げを探知し (detect)、やや弱いレーザーで追尾しながら距離を測り、さらに別のレーザーで大気の揺らぎによるブレを補正。そして最後にキラー・レーザーでミサイルの一番脆弱な部分、つまり、燃料タンク (fuel tank)を破壊するものです。

この防御兵器 (defensive weapon) は相手のICBMを無力化することで、味方の兵器の破壊力を相対的に高め、抑止力を増大します。まるで、スター・ウオーズの光線兵器を彷彿とさせる近未来兵器 (near-future weapon) です。

【動画原文と訳】
カウンター00:01~
America is developing three new laser systems capable of taking out anything in their paths and they do that at the speed of light.
(アメリカは三種類のレーザー兵器を開発しています。光の速度でその進路にあるすべてのものを破壊できます)

The first stuff is the Airborne Laser. It is designed to shoot down Intercontinental Ballistic Missiles from a Jumbo jet.
(最初は空中レーザー兵器です。ジャンボ・ジェットから大陸間弾道弾を撃ち落とすために設計されています)

カウンター00:46~
Mounted aboard this heavily modified Boeing 747, Airborne Laser can track and destroy enemy Intercontinental Ballistic Missiles even before they leave the enemy territory.
(大幅に改造されたボーイング747に搭載された空中レーザー兵器は、敵の大陸間弾道弾を敵の領土から出る前に追尾し、破壊することができます)

To be effective, its highly charged lasers have to work over incredible distances.
(効果を上げるためには、高電荷のレーザー光線は、信じられないほどの遠距離で機能しなければなりません)

☆Laser : レーザー光線
※razor(剃刀)と混同しやすい言葉です。L と R の発音を区別する必要があります。
☆Take out : レストランから食事を持ち帰る 八つ当たりする 破壊する
☆Intercontinental Ballistic Missile : 大陸間弾道弾
(ICBM:インターコンチネンタル・バリスティック・ミサイル)
☆Track : 轍 通り道 陸上競技 追尾する
※カタカナにすると truck(運搬車・トラック)と区別できません。「あ」と「え」の中間のような音を出す練習が要ります。
☆Territory : 領土
☆Stuff : 物 材料 器量
※カタカナにすると日本語になっている、職員とか部員を意味する staff と区別できません。後者のスタッフは「あ」と「え」の中間のような発音の練習が要ります。
【英語一言アドバイス】
本文に出てくる be capable of は「~する能力がある」「~することができる」という意味です。
以下の使い方を覚えておくと時事問題でも便利です。
Politicians must be capable of communicating in English to counter false claims of foreign governments.
(外国政府の誤った主張に対抗するためには、政治家は英語でコミュニケーションできなければならない)
Japan must remain number one in science and technology to be capable of competing at the world level.
(世界のレベルで競争するためには、日本は科学技術で一番でなければだめだ)

 

無料メルマガ『もしも、の英会話入門[軍隊式英会話術]』より
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発行周期:週刊

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加藤 喬

米国防総省外国語学校日本語学部部長
1957年東京生まれ。79年に渡米アラスカ州立大学フェアバンクス校在学中、予備役士官訓練部隊を通じて少尉に任官。
湾岸戦争では整備中隊の中隊長代理として任務。