34丁目の奇蹟(メイシーズデパート)

34丁目の奇蹟(メイシーズデパート)

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【34丁目の奇蹟(メイシーズデパート)】
毎年クリスマスシーンズになるとメイシーズでは同デパートでブランドを扱っているスター達の出演するコマーシャルを放送します。
でもこのCMではちょっと変わったゲストが……。

【赤い文字の部分に注意して聞き取りましょう】
Santa: I beg your pardon.
Manager: Yes, sir.
Santa: Who can tell me who’s in charge here?
Manager and Martha: I am.
Manager: Everybody, this is Kris…Kringle. He’ll be helping out today.
Santa: Oh, but I’ve made an appointment with Mr. Macy (※1)at 4 o’clock.
Marcus: Is there a Mr. Macy?
Taylor: (※2)Not since before I was born.
Donald: What’s with the get-up, Kringle.
Santa: I’m Santa Claus.
Donald: Let me see for myself.
Santa: Go ahead, pull it.
Elf: See Tommy, I told you he was real.
Tommy: You also said that about the Easter Bunny.
Justin: Kris, can you please take me off the Naughty List? I’ll do better. I promise.
Santa: Well, young lady, (※3)what’s your name?
Martha: It’s Martha, and you didn’t give me that pony. I asked for last year.
Santa: I’m sorry Susie, I tried…
Martha: It’s Martha.
Taylor: Whoa!
Manager: Mr. Kringle, (※4)may I see your license, please?
Narration: Mail your letter to Santa (※5)at Macy’s and we’ll donate to make a wish. Together we’ll collect a million reasons to believe.
Santa: If I can win you over, there’s still hope.

【発音部分の説明】
●できるだけ実際の音に近い音をアルファベットとカタカナで記しますが、あくまで参考です。
●曖昧母音(発音記号 が e の上下逆さまになったもの)や曖昧母音以外の母音で非常に弱くなった母音を @ で表記します。
●カジュアル度の高さは♪から♪♪♪で表わします。
♪:フォーマルな会話で使っても問題ない
♪♪:カジュアルな会話向け
♪♪♪:カジュアル度高し

(※1)made an appointment with Mr. Macy at ⇒ mayd@n appointmen’ wi’ Mr. Macy @(t)
☆♪♪ made an appointment with ⇒ mayd@n appointmen’ wi’
比較的に抑揚が小さく早口で流れるように話されるので聞き取りにくいです。made an は連結。appointment の語尾の破裂音 T は破裂せず。with の th も聞こえません。

☆♪♪♪ at ⇒ @(t)
t は破裂はさせてませんが、よく聞くと音はしています。
はっきりとわかるのは made, appointment, Mr. Macy, 4 o’clock の4語なので、それをもとに自分で補って、曖昧に聞こえるのは an, with だろうとさかのぼって推測することになります。
(※2)♪♪ Not since before ⇒ No’ s’nce before
not は語尾の破裂音 T がほとんど聞こえず。since は、母音が弱まり、さらに聞きようによっては s の音に ts が混じったように聞こえます。時々、何かの加減でこういう発音になる人がいるとだけ頭にとどめておけばいいです。
ここでは、not の T の舌先の位置(上の歯の付け根)に影響されて ts ぽっくなっているのだと思われます。T は破裂させなくても舌先は所定位置にいっているので。
(※3)♪ what’s your ⇒ whachure
この省エネ(音の同化と呼ばれます)は、学校でも習いましたね。あとにくる語がたいてい you か your なので比較的聞き取りやすいですが、意外な組み合わせもあります。
<サンプル発音はこちら>
(※4)may I see ⇒ (m)I see
☆ ♪♪♪ may I ⇒ (m)I
may の ay は本来は[ei]と、2重母音ですが、これがまずは弱くなって [e]と単母音に。さらに弱くなってほとんど聞こえなくなる。その結果 m がごくかすかに聞こえるだけということになります。
これは「いらっしゃいませ」にあたる”May I help you?”でも似た省エネがよく起きます。
May I help you? はしばしば Melp you? 、または Me@lp you? と聞こえます。
May も I も2重母音が単母音になったり、さらに弱まったりする上、help の h も弱くなるからです。
(※5)♪♪♪ at ⇒ @(t)
(※1)と同様の省エネ。t は破裂はさせてませんが、よく聞くと音はしています。
【語句と表現】
☆Miracle on 34th Street 『34丁目の奇蹟』
☆I beg your pardon. 「失礼ですが。」もう古い言い方です。
☆Kris Kringle 上記の映画がもとでアメリカではサンタクロースのニックネームとしてポピュラーになりました。
☆helping out 手助けする
☆a Mr. Macy メイシーさんとか言う人
☆What’s with the get-up? その~は何のマネだ?
☆What’s with~? 何のつもりだ?
☆Let me see for myself. 私に自分の目で確かめさせてくれ。
☆Easter Bunny イースターのウサギ
☆take someone off a list 誰それをリストからはずす。
☆the Naughty List 悪い子のリスト
☆pony 子馬
☆license 運転免許
☆donate 寄付する
☆win over~ ~を(説得して)納得させる、仲間に引き込む

【動画部分の翻訳(意訳)】
Santa: 失礼じゃが。
Manager: なんでしょうか?
Santa: 誰がここの担当をしているか、教えてくれる人はおらんか?
Manager and Martha: 私が(担当です)。
Manager: みんな、こちらはクリス…クリングルだ。今日は手伝いに来てくれた。
Santa: さあてね、ワシはメイシーさんと4時にアポがあるんじゃがね。
Marcus: メイシーさんとかっているわけ?
Taylor: 私が産まれるずっと前からいないわよ。
Donald: その格好は何のマネだよ、クリングル君。
Santa: わしゃぁ、サンタでね。
Donald: 自分の目で確かめさせてくれ。
Santa: どうぞ、引っ張りなさい。
Elf: ほらトミー、彼がホンモノだって言ったでしょ。
Tommy: イースターのウサギのときも同じこと言ったろ。
Justin: クリス、僕を悪い子リストからはずしてくんない? (来年は)もっといい子になるからさ。約束するって。
Santa: さてさてお嬢さん。お名前は?
Martha: マーサよ。去年頼んだ例の子馬をくれなかったじゃないの。
Santa: すまんな、スージー。努力はして…
Martha: マーサだってば。
Taylor: うわあっ!
Manager: クリングルさん。運転免許を見せて頂けますか?
Narration: サンタへの手紙をメイシーズから出してくだされば私達は願い事をするための(/Make-A-Wishへ)寄付をします。
私達と一緒に信じるための100万の理由を集めてください。
Santa: 君を納得させることができるのなら、まだ希望はあるのぁ。

matsuo

Koji Matsuo
松尾 光治
大手英会話学校のニューヨーク校駐在員として1989年に渡米。その後、カリフォルニア、シリコンバレーのハイテク企業で9年ほど勤めたのち独立、現在はニューヨークで通訳・翻訳業。
日本人が苦手とするカジュアル英会話を翻訳家の松尾光治氏が伝授!
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