ニューヨークの味(フォルクスワーゲン)

ニューヨークの味(フォルクスワーゲン)

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【ニューヨークの味(フォルクスワーゲン)】
この二人のやりとりだけ聞いて話題になっている Bobby が誰かわかったらあなたはなかなかの洋画通かも・・・

【赤い文字の部分に注意して聞き取りましょう】
Caption: Some of the most famous moments in cinema were
never scripted.
Man 1: Jeez, you know that kid, Bobby?
He (※1)ought to watch his manners.
Man 2: Yeah? Well, he’s a star, (※2)ain’t he?
Man 1: Hey! That’s no excuse.
Man 2: (※3)What did he do?
Man 1: Well, you know, I was taking care of the stroganoff.
And he walks up to the truck and he goes…[whistles]
“Hey! You think maybe I can get a little service around here?”

You know..I mean it caught me off guard, right?
Man 2: Sure.
Man 1: So I turned around like this and I said, “Uhhh…I’m sorry.
You (※4)talking to me?”
Man 2: What then?
Man 1: Well, I said it again.

I said, “Uh…are you (※4)talking to me?”
Man 2: So (※5)what did he say?
Man 1: Nothing. He just walked away, you know, with that grin.

Ah, those(不明瞭な発音) damn method actors, right?
Man 2: Now, I don’t much care for his new haricut.

That’s for sure.
Man 1: Oh….Hi sweetheart. How are you, Lucy?
How about one more pie? Have more pie?
What was it? Strawberry?
Let’s get it over with the Strawberry, right?
How about old whip/whipped cream on that?

【発音部分の説明】
●できるだけ実際の音に近い音をアルファベットとカタカナで記しますが、あくまで参考です。
●曖昧母音(発音記号 が e の上下逆さまになったもの)や曖昧母音以外の母音で非常に弱くなった母音を @ で表記します。
●カジュアル度の高さは♪から♪♪♪で表わします。
♪:フォーマルな会話で使っても問題ない
♪♪:カジュアルな会話向け
♪♪♪:カジュアル度高し

(※1)♪♪ ought to ⇒ oudd@
ought の語尾の T と to の T はまとめて発音。かつ、前後を母音にはさまれて「軽く弾く D 」になります。to の母音は、軽い曖昧な音。カジュアルなすべリングでは ought to を oughta と書きます。
まとめると、ought to → outto → outta → oudd@ になります。

(※2)♪♪♪ ain’t he? ⇒ ain’nee?
ちょっと、「ひっかけ問題」でしたね。 ain’t he? は、もちろん isn’t he? が正しいです。あまり教養のない人は、be 動詞の否定形を全て ain’t にしてしまうことがあります。もっとすごい人は don’t/doesn’t も ain’t にしてしまいます。
省エネは、ain’t の語尾の破裂音T が落ちる。また、he の H が落ちる。新しい語尾となった N が、he の残りの[i:]とつながって ain’nee となります。

(※3)♪♪♪ What did he do ⇒ Wha’ di(d)’ee do?
What の T が落ちます。did he は、did’ee と、まず he の H が落ちてひとかたまりとなり、さらに、did の語尾の d もごく弱くなってこういう音になります。
こういう文頭のカタマリの省エネは、パターンがあるので、それを知って何度も聞いていくことで多少のバリエーションがあっても、何なのかわかるようになります。

(※4)♪♪ talking to ⇒ talkin noo
talking の語尾の G が落ちます。(-ing の G は、たいてい落ちると考えていいです。)
新しい語尾となった talkin の N がto の T に影響してこの音になります。nt と音が続き、その後に母音がくると(「nt+母音」)T の音が強く粘る N の 音に吸収されて弱くなる か消える、という原則があります。TもN の音になる、と考えてもいいです。
(You talking to me? というのは、ロバート・デニーロ主演のタクシードライバーの有名なセリフ)

(※5)♪♪♪ what did he say  ⇒ wha’ di(d)ee say
(※3)の文頭と同じになります。What の T が落ちています。did he は、did’ee と、まず he の H が落ちてひとかたまりとなり、さらに、did の語尾の d もごく弱くなる。
≪文頭のカタマリのさまざまな省エネ、音声付例はこちら≫

【語句と表現】
☆be scripted 脚本として書かれている
☆Jeez! もう、まったくな!
☆watch one’s manners マナーに気をつける、行儀よくする
☆stroganoff ビーフストロガノフ
☆he goes he said と同じ(スラングです)
☆catch someone off guard 不意をつく
☆grin にやにやする笑顔
☆damn Method actors メソッド式俳優ども

【動画部分の翻訳(意訳)】
Caption: 映画の最も有名なシーンの一部は、まったく脚本無しで作られた。
Man 1: まったくよ、あのボビーのガキ知ってるだろ?
あいつは、マナーに気をつけんといかんなあ。
Man 2: そうか?まあ、やつはスターだし、違うか?
Man 1: おい!そんなの言い訳にならんさ。
Man 2: やつが何をしたんだ?
Man 1: うん、そのな、俺はストロガノフを作ってたわけよ。
で。やつがトラックんとこまで歩いてきて、こうさ。[口笛]
おう!この辺で、ちょいと(食事の)サービスしてもらえないいもんかねえ。

つまりな、不意をつかれたってわけよ。
Man 2: そうだな。
Man 1: で、俺は向き直って言ったよ。「あの~、すんませんが、私に向かって話してる?」
Man 2: それで?
Man 1: で、俺はもう一度言ったね。

「あの、あんた俺に話してるって?」
Man 2: で、やつは何で言った?
Man 1: なんにも。歩き去っただけさ、ほら、例のニヤニヤ顔で。

[Ah, those??=例の] メソッド演技の役者どもときたらな、だろ?
Man 2: まあ、俺はやつの新しいヘアスタイルは気に食わんよ。(「タクシードライバー」でモヒカンになったことを指してるんでしょう)

それは確かだな。
Man 1: おや、やあカワイ子ちゃん。元気かい、ルーシー?
パイをもう一つどうだ、もう一つ?
何が好きなんだっけ?ストロベリー?
ストロベリーってことで決めようか、ね?
おなじみの(いつもの)ホイップクリームを乗せるかい?

【こぼれ話】
ニューヨーク、イタリア系ブルーカラーの典型的な口調です。マンハッタンのストリートを歩き、個人経営の小さな商店、特に飲食系に入ると聞こえてきそうな声です。

The Sopranosなんかでも、たっぷり聞ける話しかた+訛りですね。

ちなみに、ここで話題になっている Robert De Niroもイタリア系。Bobby はもちろん Robertの愛称です。

屋台のおっさんが grin してみせる笑顔がロバートデニーロとそっくりなのがおかしかったです。

こういう屋台って、ニューヨークでも最近は数が少なくなったようですが、とはいえまだまだ健在。

matsuo

Koji Matsuo
松尾 光治
大手英会話学校のニューヨーク校駐在員として1989年に渡米。その後、カリフォルニア、シリコンバレーのハイテク企業で9年ほど勤めたのち独立、現在はニューヨークで通訳・翻訳業。
日本人が苦手とするカジュアル英会話を翻訳家の松尾光治氏が伝授!
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