ブタだって飛行機(GEICO)

ブタだって飛行機(GEICO)

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【ブタだって飛行機(GEICO)】
自動車保険会社 GEICO の人気キャラ、ブタのマクスウェルが飛行機に・・・

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【赤い文字の部分に注意して聞き取りましょう】

CA 1: Excuse me…Sir.
(※1)I’m going to have to ask you to power down your little word game.
CA 2: I think your friends will understand.
Maxwell: Oh no, it’s actually my GEICO app.
See? I just..uh…paid my bill.
CA 1: Did you really?
CA 2: (※2)From the plane?
Maxwell: Yeah, I can manage my policy, get roadside assistance, pretty much access geico 24/7.
CA 1: Sounds a little too good to be true, sir.
CA 2: (※3)I’ll believe that when pigs fly.
Maxwell: OK…did she seriously just say that?
Narration: GEICO. Just a click away with our free mobile app.

【発音部分の説明】

●できるだけ実際の音に近い音をアルファベットとカタカナで記しますが、あくまで参考です。
●曖昧母音(発音記号 が e の上下逆さまになったもの)や曖昧母音以外の母音で非常に弱くなった母音を @ で表記します。
●カジュアル度の高さは♪から♪♪♪で表わします。
♪:フォーマルな会話で使っても問題ない
♪♪:カジュアルな会話向け
♪♪♪:カジュアル度高し

(※1)I’m going to have to ask you to ⇒ I’m gonna haft@ ask you t@
☆♪  I’m going to ⇒ I’m gonna
おなじみの going to =gonna=ガナ

☆♪ have to ⇒ haft@
have to が「ハフタ」に似た音になることもよく知られていますね。カジュアルなスペリングでも hafta と表記されます。この人の発音は hav と haf の中間くらいで、まだ[v]の名残りがあります。なぜ[v]が[f]になるか理由は単純。
[v]という有声音を出すより、同じ口の形だけど無声音の[f]を発音するほうがエネルギーがいらないからです。to の音は to と ta の中間くらいです。これも、to をきちんと発音せず早くか、またはダラシなく発音すれば自然に母音が短く弱くなる音です。

☆♪ ask you to ⇒ ask you t@
これも to と ta の中間くらいの音になります。どの音も、ごく普通にいつでも誰でも使う省エネ発音ばかり。going to=gonna は、このように必ずしも「カジュアル」とは言えない場面でも、人によってはよく使います。
gonna や wanna といった省エネ発音を日本人が使うのは良くない、という人たちもいるようですが、日本人であっても、周りの人の様子を見ながら使えばいいと私は思います。注意したほうがいいと考えるのはめったやたらと I’m gonna, I wanna で始まるセンテンスだらけになる。
あと、カタイ big words をたくさん使って話すのだが、同時に I’m gonna, I wanna も頻発する。 これだと、聞いている人たちはなんとも言えぬ奇妙な印象を受けます。とはいえ・・・「変に聞こえちゃうかな~」と恐れて口を開かないよりは喋る機会があるなら、どんどん前に出て喋るほうが絶対に大切です!喋り慣れながら、弱点はだんだんと補強していけばいいんですから。

(※2)♪ From ⇒ Fr@m
省エネ発音というほどのこともないのですが、from は母音がはっきりくっきり聞こえて「フローム」みたいな音だと思っていると結構こういう普通の音でも一瞬とまどったりしますね。
前置詞を含めた機能語の母音はいわゆる「弱形」になるのが普通です。(この弱形も省エネ発音の一部と考えていいです) from という単語一語だけ取り出してお手本の発音でもしてもらわない限り「フローム」に近い音にはなりません。ちなみに、from は、省エネが強くなると 母音が落ち fr’m という音になります。
<機能語のさまざまな省エネ音のサンプル>
<弱形について、詳しくは「知ってて得する機能語の弱形」>

(※3) I’ll believe that when ⇒ @’ll believe tha’ wen
“when pigs fly” というのは慣用表現。「ブタが空を飛ぶとき」ってのは、あり得ない話なんで「絶対あり得ない」「無理だ」「絶対ダメ」などという意味。でもマクスウェルが現に飛んでる最中なんで、それがこのCMのオチ・・・かな?
「あり得ない!」「絶対嫌だ!」とだけ言うのに “When pigs fly!”とだけ言ってもいいし、このCMのセリフのように文のあとにつけて、「~することはあり得ない」とすることもできます。

☆♪♪ I’ll ⇒ @’ll
本来は2重母音 [ai] の I ですが、早口になったり、あるいは、ゆっくり目でも省エネが強くなると、どんどん単母音に近くなっていきます。

☆♪ that ⇒ tha’
語彙の破裂音 T が落ちてるようです。この人、相当早口なので、ハッキリとはわかりません。

☆♪ when ⇒ wen
when を 「ホエン」と、最初に[h]を入れて発音するのは、かなり丁寧な発音です。
where、why も同じで、アメリカ人の中には文法がわかってない人もいて、関係副詞の where をメールなどで were と書いてしまう人が結構います。where から[h]の抜けた音が were とほぼ同じだからです。

【語句と表現】

☆power down 電源を切る
☆GEICO アメリカ大手の格安自動車保険会社
☆app アプリ
☆bill (月々の)請求書
☆policy insurance policy=保険(契約、契約書)
☆roadside assistance レッカー車サービス等々(路上で故障したときのアシスタンス・サービスのこと)
☆pretty much だいたいのところ、事実上
☆24/7 いつだって、年中無休
☆too good to be true 話がうますぎ、夢みたい
☆Just a click away たったのワンクリックでアクセスできる

【動画部分の翻訳(意訳)】

CA 1: 失礼ですけど・・・お客様。 そのカワイらしいワードゲームの電源を切って頂くよう お願いしないといけませんわ。
CA 2: お友達たちも分かってくれますよ。
Maxwell: いやいや、これって、実はガイコのアプリなんだ。 ほらね?今、僕が、、、そら、、請求書を払った。
CA 1: 本当に?
CA 2: 飛行機から?
Maxwell: うん、保険契約の管理もできるし、アシスタンスサービスも呼べるし、 事実上、ガイコにいつだってアクセスできるんだ。
CA 1: うま過ぎる話みたいですけど、お客様。
CA 2: ブタが飛んだら信じるわね。
Maxwell: な、なるほど、、、彼女、マジに今ああいう発言したわけ?
Narration: ガイコ。無料の携帯用アプリをワンクリックでゲットしてください。

matsuo

Koji Matsuo
松尾 光治
大手英会話学校のニューヨーク校駐在員として1989年に渡米。その後、カリフォルニア、シリコンバレーのハイテク企業で9年ほど勤めたのち独立、現在はニューヨークで通訳・翻訳業。
日本人が苦手とするカジュアル英会話を翻訳家の松尾光治氏が伝授!
テレビCMで英語の省エネ「タメグチ」発音攻略!』毎週好評配信中!
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